第3章 初恋 (佐野万次郎)
「なあエマ、マイキーっていつもあんなん?」
「んー?マイキー?」
「ああ、いつもああやって手伝ってんの?」
ソファでくつろぎながら話に花を咲かせている真一郎くんと場地を横目に、俺とエマは食卓テーブルから皿洗いをするマイキーとちゃんを眺めていた。三ツ谷はちゃんから借りたファッション誌を真剣に読んでる。
「マイキーねえ、がお皿洗う時とか、もの運ぶ時とか買い物行くときとか、絶対ついてくんだよね。まあそんなのがこの家来る前からずっとそうだけどさ。優しいとこあるよねマイキーも。」
「真一郎くんなんも言わねーの?」
「…真にぃ?兄弟だしそこは気にしてないんじゃない?ほら、今だってさっきだって場地とばっか話してんじゃん?」
「そーか」
マイキーお前は何をおもってちゃんのそばにいるんだ?昔からずっと好きだったんじゃねーのか?真一郎くんに先越されて…今は同じ家に住んでて…俺だったら結構キツいと思うけどな。
「んじゃー俺たちそろそろ帰るわ
おい三ツ谷、場地帰んぞー」
「え、ドラケンもう帰っちゃうの!」
「おう、またなエマ
またすぐ来てやっから」
「はあい、すぐ来てね」
「待ってあと少しで読み終わる…っ」
『隆くん?それ持って帰っていいよ?
なんならこれも持って帰る?
結構参考になると思うよ!好きなの持ってきな!』
「まじすか…!」
俺には全く分からないファッション誌に少々興奮気味の三ツ谷と、くつろいでる場地を連れて俺らは佐野家をあとにした。
また今度来た時はマイキーの話聞いてやるか。