第13章 お気に入り(松野千冬)
「さん…っ俺もう…っ」
『イきそう?』
「イ…く…っはあ、くっ」
『はい、おしまい』
「ぇ…なん、で…っ」
上下に擦りあげる手を掴まれてまた刺激が止んだ。2度目の寸止めで腰がビクビクするのが分かる。
『ご褒美貰う前にイっちゃうの?』
「あ…ゃだ…ッ」
俺の昂りに息がかかるほど近く唇を寄せて溢れる先走りを細い指でツーっと根元まで伸ばす。
「んん…ッ」
『敏感になっちゃってるね』
「ふ…、うっ」
『いっぱい垂れてきた…おいしそ…』
「さ…ん、舐めて…ッ?」
『いいよ、ご褒美だもんね』
あぁやばい…頭からつま先まで痺れるような快楽を俺の身体は知っている。さんのあったけえ口ん中に包まれると思考も理性も奪われて達することしか考えられなくなる。
「あ…っあ、気持ちぃ…んは…ッ」
『いっぱい声出ちゃって可愛いねフェラ好き?』
「すき…っさんの口ん中やっばい…ッ」
『もうイきたいね?』
「イきたい…っさんの口に出してもいい、すか…?」
あぁクソ限界ちけぇ…
『いーよ、出して?』
殺し文句すぎるだろ…その言葉だけでイきそ。
根元を手で扱きながら先をちゅぽちゅぽとたっぷりの唾液で弄ばれる。これ好き…くっそ気持ちい…。
「は…っんぅ、さんさ、ん…まじでイっちゃう…ぁあ、っく」
『千冬くんのいっぱい出して?』
「で…るっさんまじで出る…ッい、く…!」
『ん…ッ』
「ぁあ…っはぁ…ごめ、なさい…めっちゃ出た」
一滴残らずさんの口内に放たれた白濁液。見せつけるように口を開けて俺を見つめる。んなことされるとおさまんねーんだけど。
「すみません…!ティッシュに出してください…っ」
サイドテーブルに置いてあるティッシュを数枚渡すと口を閉じてコクリと小さく喉を鳴らす。
「ちょ…っと!また飲んで…嫌じゃないんすか?」
『千冬くんのだもんヘーキ。』
だから…勘違いするって…俺あんたこのとめちゃくちゃ好きなんだぞ。こんなことしてんのに恋人じゃないのが苦しい。でも触れて貰えるなら…まだこの関係でも…。