第13章 お気に入り(松野千冬)

女の子みたいに声を出してただただ善がり続ける身体。我慢しようとしたって勝手に溢れてくる自分でも聞いた事のない声が恥ずかしい。

ベッドに腰掛ける俺の脚の間に膝を着いた彼女がゆっくりと手を動かす。それだけで達しそうになる俺の身体は快楽を求めて熱をあげていく。

『千冬くんイきそうでしょ』

｢な…んでわかる、んですか…っ｣

『ヒクヒクしてる…ほらまた』

｢ぅ、あ…っや…それやだッ｣

ぬるぬると何度もカリの部分を刺激されて頭がチカチカする。このままじゃさんの手汚しちまう…っ。

『じゃーやめようか…？』

ピタリと手を止められて絶え間なく続いていた刺激が止む。

｢え…や、なんで｣

『やめてほしかったんでしょ？』

あ…悪い顔してる…

いたずらっ子のような顔をして俺の様子を伺う。

「やめてほしく…ないです。」

『どうしようかな』

「やめ、ないで…さん…っ」

『じゃあ…千冬くんがシてるとこ見せてくれたらご褒美あげる。』

「ぇあ…？」

『ほら、いつもみたいにしてごらん』

戸惑う俺の手を昂りに誘導して微笑む。は、え、こんな目の前で…？いつもみたいにって…さんのこと考えながらしてるけどさ…けどさ！こんなん恥ずかしいにもほどがある…。

『ご褒美いらないならシなくてもいいんだよ？』

「ぇ、やだ…っさんのご褒美ほしい…」

だめだ、頭まわんねえ

さんに気持ちよくしてもらえるなら…ってそれしか考えらんなくて、俺の脚の間で膝立ちする彼女に見せるようにして自身を扱く。

『ふふ、きもち？』

「ん…きも、ちぃ…ッ」

『あーあ、とろとろ溢れてきてる』

見られて恥ずかしいのに、それすら今の俺には興奮材料で。毎日さんを想いながらシてる俺の身体は本人を目の前にして堪らなく興奮してるんだと思う。

「さ、ん…っあ、く…ッ」

『いつもこうやってシてるんだ？』

「ん、そ…うです…ッ」

『私に見られながらするの気持ちい？』

「めっちゃ恥ずかし、いです…っでも手とまんねえ…ッ」

『かあわい…いい子いい子』

そう言って頭を撫でられると髪まで性感帯になったみてえにピリピリと快楽に包まれる。