第13章 お気に入り(松野千冬)
『ねえ、そんなに遠くないし送ってくれなくても平気だよ?家ここなのに面倒じゃない?』
「もう少し一緒にいたいっていったら迷惑っすか?」
『そんなことないよ』
いつもより勇気をだして本音を吐いてみる。場地さんから借りたさん用のメットを手渡すとさっきと同様に被りたくないと言い出す。
「だめっすよ危ないんで」
『だって前は被らなかったもん』
「持ってなかったんすよ。今日は借りたんで被ってください。場地さんからも絶対被らせろって言われてるんで頼みます。」
『2人して過保護〜』
「さんが怪我したら嫌っすから」
『千冬くんに心配されるとは...分かったよーだ。』
俺の腰に腕を回したさんはやっぱりからかうように身体に触れる。腰、腹、太もも。
「…っちょっと」
『んー?安全運転でお願いね?』
「ん…ぅす。」
彼女の家に着いた頃には半勃ちの下半身。
『送ってくれてありがとね。気をつけて帰るんだよ〜』
そういって俺を抱きしめる彼女に熱を持った身体は、もっと一緒にいたいと欲張った。
「さん」
『うん?』
「シて…ほしい、っす……」
消えそうなほど小さな声だったと思う。
だってこんなん恥ずかしすぎる。
『いいよ、おいで』
先にマンションの中へと入っていく彼女。期待と熱を含んだ俺の身体は単車を来賓スペースにとめ、エレベーターへと乗った。
鍵が空いたままの扉。彼女の部屋へと吸い込まれるように入ると部屋着に着替えたさんがベッドに腰かけていた。
「お、邪魔します…」
『緊張してるの?かわいい。おいで千冬くん』
スラリと伸びた白い脚。特服は言わずもがな、私服でさえあまり肌を出さない彼女の綺麗な曲線美を見られるのは部屋着を着ているときだけ。
隣に腰をかけ太腿に触れたのを合図にどちらからともなく唇を重ねた。
「ん…、さ、ん」
『ふふ、積極的だなあ』
「俺…1人じゃ物足りなくなっちまって…さんのことばっか思い出して…っ」
テントを張ったソコに優しく触れられてゾクゾクと快楽が思考を支配していく。
『すごい…特服の上からでも分かるくらい大きくなってる。』
「…っふ、風呂…っ借りてもいいっすか!」
『?どーぞ』