第13章 お気に入り(松野千冬)
風呂に入ってないままなんて汚ぇし、そんなんさんに触らせらんねえ。
とりあえず身体だけ洗い流して速攻で戻ろう。
『おかえり。早かったね』
「そりゃ…急いだんで。」
『おっきいままだしね』
特服よりもこっちのが目立つじゃねえかよ。痛いくらいに主張したそれを腰に巻かれたタオルの上からそっとなぞる綺麗な指。
「…っん、」
『きもち?敏感になってるね』
「洗うときに…っ少し触ったんで…それで…ッ」
『1人でシちゃったの?』
「ちが…洗っただけっす…さんに触って欲しいから我慢したんですよ」
恥ずかしいのにすらすらと口から出てくる。好きだともまだ伝えられてないのに…この先の快楽を知っている身体は思考を奪っていく。
『我慢できてえらいね。…どうされたい?』
「触ってさん…っ。いっぱいして…っあ、ぅ…ッ!」
『ふふ、すごい…とろとろ溢れてきたよ』
「それ…っぁ、やだ…ッ」
『どうしてほしい?』
「ぜ、んぶ…っ触ってさ、んに気持ちよくされた、ぃ…ッおねが、いしま、す…っ」
『いーよ』
マジで何言ってんだろ、とか考える理性残ってねえわ。目の前の彼女に触れてもらえる事が嬉しくて幸せ
「う…っあ、ィ…きそ、」
『あ、おっきくなった。出していーよ』
「う…っィ、く…さん出ちゃう…ッ」
『いいよ』
「あっぁあ…ッ!」
やば…。ここ最近毎日抜いてんのに…すっげぇ出た
「さん手…っごめんなさぃ」
『たくさん出たね。気持ちかった?』
「めちゃくちゃ…」
『よかった』
「お、俺も…さんに触りたい…です。」
『…』
あれ、引かれた…かな。急に立ち上がって部屋を出ていっちまった彼女の後ろ姿を見ながら舞い上がりすぎたと後悔する。
『お待たせ。』
「ぁ、さん…俺…っ」
『ん?え、なんで泣きそうな顔してんの』
「呆れて出てったかと…思って。」
『手洗ってきただけだよ泣かないで〜』
戻ってきた彼女は両手を見せてから俺の頭を撫でた。
『私に触りたいんでしょ?』
「いいんすか?」
『いーよ、千冬くんになら』
「…っ」
なに、それ…。俺になら?危うく勘違いするとこだった。この人は別に俺に興味なんてない…ただの“お気に入り”