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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第13章 お気に入り(松野千冬)


単車を降りてメットを場地さんに渡すなり階段を駆け上がっていくさん。

3階あたりで1度顔を覗かせた彼女が早く、と急かす。

「これ置いてくっから待ってろー」

「場地さんはさんと1番仲良いですよね」

「そうか?」

「マイキーくんたちよりも場地さんとの方が仲良く見えます。」

「んあーまあ。そうかもな」

「その、好きとか…そういうのは」

「俺がを?そりゃ死ぬほど大事なヤツだけど付き合いたいとかは思わねえよ笑 妹みたいなもんだからな。」

妹みたいだと言った場地さんはすごく優しい顔をしている。

「そういうもんすか?」

「なに、お前のこと好きなの?」

「えっ」

「のことよく目で追ってっから」

何も考えてないようで1番周りを見ているのはこの人かもしれないとたまに思うことがある。

「…好き…です。」

「ふーん、それに言ったんか?」

「いやまだっす」

「あいつあれで結構人気あっからな。そーだ。お前も飯食いに来れば?」

「え、でもそんなん迷惑じゃ…」

「もいるし来いよ、な?」

「はいっ」

「俺も協力してやる!」

「心強いっす!」

ニカッと笑った場地さんがほんとに心強い。さんと1番仲良いこの人が協力してくれんなら百人力だ。

『あれ、千冬くんも一緒にご飯食べるんだ!』

「うす、お邪魔します」

『みんなで食べた方が美味しいもんね〜』

「おえり圭介、も一緒?」

「うん、千冬も」

「千冬また来たのか!」

そういって俺の肩をペシペシと叩く場地さんの母ちゃん

『京子さーん!久しぶり!』

「ー!また綺麗になって〜!圭介の嫁に来ない?」

ドクン、と脈が嫌な打ち方をする。

「そういうのやめろよ…」

『30まで結婚できなかったら圭介に貰ってもらおうかな〜』

そういっていたずらに笑う彼女に胸がチクチクと刺されるみたいで痛む。

「おいまでノるなよ…」

「いーじゃん!あ、でも千冬もいい男だからなぁ。」

「お、俺っすか」

『千冬くん可愛いもんね〜よしよし』

「う…あ、んん…」

わしゃわしゃと俺の頭を撫でるの行動にモヤモヤが少し消えてすぐに絆されてしまう。
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