第12章 伝えたいことは (黒尾鉄朗)
「すみません…まさか木兎さんたちと会うとは…」
『ううん?せっかくのオフだもんね。皆で遊びに出たりするよね。』
「さんも普段は黒尾さんたちと出かけたり…しますか?」
『たまに、ね。2人じゃなくて研磨くんと3人で。』
「孤爪もですか?外とか出るんですね」
『あははっ、半ば無理やり連れ出してる所はあるかもしれないね笑』
黒尾さんと2人では出かけないのか。
それなら俺にも少しはチャンスがあるだろうか。
「あ、あの。来週の練習試合、俺たちが勝ったら…また2人で出かけてくれませんか?」
『え、そんなのなくたって別に…』
「俺がやりたいんです。お願いします。」
黒尾さんに勝ちたい。彼女のこともバレーも。
『うん、じゃあ試合に勝ったらまたお出かけしよう』
「はい」
絶対に勝つ。
勝ってもう一度ちゃんと想いを伝えたい。