第12章 伝えたいことは (黒尾鉄朗)
しばらくして運ばれてきたアップルパイに目を輝かせる研磨。こいつのわくわく顔好きなんだよなあ笑
「食べていい?」
「わくわく顔研磨くんですか?」
「そんな顔してない」
「してる」
「してない」
「してる」
『ふふっ、早くだべよ?』
「うんっ」
うわ、くそうめえ。
と一緒なのも相まってくそうめえ。
『…っおいしい!』
「おいしい…買って帰ろうかな。」
「研磨のお気に召したようで」
「うん。明日も来たいくらい。」
『ここ見つけた時研磨くんと一緒に来られたらなって思ってたから良かった!』
「誘ってくれてありがとう。俺もさすがに男1人で入る勇気無かったから。」
研磨と一緒に来るついでですかね俺は。妬けちゃうなあ。いやまあいいんですけどね。はそんなつもりないだろうし。
『鉄朗とも久しぶりにお出かけできて嬉しいよっ』
「んえ…っあ、俺も…ですっ」
急にきたーああ!びっっくりした!嬉しいのは俺の方ですよ…嬉しい通り越して幸せなんですよ。
『鉄朗がカフェ行きたいなんて言うと思わなかったから。3人でお出かけ楽しいね!』
「また出かけようよ」
「それって俺必要…?」
『もちろん』
「まあ…いいけど。」
今は3人でいい。なんなら研磨とと3人でいる時間が俺は結構好き。落ち着くし、付き合ってた頃みたいで嬉しい。好きすぎて突っ走りそうになる俺を止めてくれるしな。
だけどそんなことより…が赤葦と2人で出かけんのだけがマジでキツイ。まーじできつい。くっそやだ。やだけど言える権利ねえ…それがもっとやだ。
『そろそろ行く?』
「そうだね。俺アップルパイ家用で買っていきたい。」
「気に入ったんだ?」
「だって美味しかったじゃん」
『美味しかったね〜!』
アップルパイを片手に満足気な研磨は
「じゃあ俺これあるから帰るね」
そう言って足早に帰ってしまった。
「ちょっと研磨さーんっ??」
『行っちゃったね』
「あー…俺たちも帰る?」
『うーん…もう少し遊ぼうよ!』
「ぇ、あ。もちろんです」
絶対帰るって言われると思った…!
2人きり!?完全デートですわ!!!