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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第12章 伝えたいことは (黒尾鉄朗)


「赤葦〜ちゃん狙ってんなら黒尾くん攻略しないとだぞーっ」

またまた白福さんの煽り攻撃。

『ちょっとゆきえちゃんてば…鉄朗は関係ないよぅ』

そうだ。黒尾さんは関係ない。だって彼氏じゃないでしょう?誰がどうみたってあの人はさんのことが好きだし、もしかしたらさんだって…2人の間に何かあるのは間違いないと思う。だとしても…

「さんは黒尾さんの彼女じゃないですから。普通にデート誘って俺の事好きになってもらいますよ。」

『はぇ…?』

「じゃあ俺行きますね。」

『ぇあ、うん』

ぽかーんと口を開けて何も言わなくなってしまったさんとマネージャー陣。黒尾さんがすっ飛んで来る前に退散しよう。さっきからすごいこっち見てるし。

「お、赤葦おっかえりぃ〜どこいってたの!」

「マネージャーブースに」

「あー、がいるからか?」

「え?」

「え?だってお前タイプだろ?って俺最初から言ってんじゃん!」

「いや、まあ…はい」

「告白した!!?」

「いえまだ…」

「ふーん!あいつめっちゃくちゃ可愛いからきっと学校でも人気だぞ!頑張れ赤葦!!」

「はい。頑張ります」

木兎さんに応援されると不思議と大丈夫な気がしてくるのはなんでだろうか。

その後片付けをしてそれぞれの高校ごと各マイクロに乗り込む。1週間の合宿がおわった。

「も黒尾もじゃあな!孤爪今度こそトスあげてくれよな!」

めげずに話しかける木兎さんと嫌そうな顔の孤爪。その隣にはさんがいる。

『またね〜』

「カフェ行く日程あとでメールします」

『ぁ、うん…っ』

告白まがいの事をしてしまったが故に少し困らせたかもしれない。でも今はそれでいい。あなたの頭の中に少しでも俺がいてくれればそれで。

珍しく割って入ってこなかった黒尾さんは、代わりに彼女の手を引いてマイクロへと乗り込んでしまった。

「…ごめんね赤葦。クロ悪いやつじゃないからさ…わかってあげて欲しい。またね」

「あ、うん。また」

「じゃーなあ!!!まったなー!!!」

ほんと木兎さんの明るさには救われる。
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