第1章 好きです先生 (松野千冬)
『…のくん、松野くんっ』
「…っ」
『ずっと上の空だったけどどうしたの?
先生の話そんなにつまらないかな?
…君にはお話があるので休み時間先生の所へ来るように。』
「…うっす…さーせんした。」
チャイムが鳴り終わり、ちゃんが教室をでていってから相棒に話しかけられる。
「ちゃん先生すげえ可愛いけど怒るとくそ怖そうだな。ドンマイ千冬!ぼけーっとしてるお前が悪いぞー」
「ん、わーってるよ。」
「ほんと…どうしたんだよ千冬」
いつもと様子の違う俺を心配する相棒をよそに、怒られに行くとはいえちゃんに呼び出されたことが嬉しかった。
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キーンコーンカーンコーン
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「んじゃ俺先生んとこいってくるわ」
「おう、いってら千冬ーっ」
コンコン
「ちーす、松野っス
先生いますかーっ」
『あ、松野くんちょっとこっち来て』
言われるままあとを着いていって、ちゃんは誰もいない会議室の札を使用中にひっくり返して中に入った。
「あ…えっと…ちゃん…?」
『こら、先生でしょっ』
「あ…っ」
『うそうそ、2人の時は名前でいいよ、ふふ
久しぶりだねえ千冬くんっ』
あ…やばい…心臓の音が。
どんどん早くなって…これじゃ聞こえちまう。
「俺なんで呼び出されたの?」
『そりゃ、千冬くんが私の話全然きいてないから!』
「いや、あれは!ちげーっていうか
ちゃんが担任になるなんて知らなかったから…」
『ふふ、分かってるよゴメンね呼び出したりして
サプライズしようと思って!びっくりした?』
「ビックリなんてもんじゃねーよ…会いたかった…。」
あ…やべ。声に出た…。
『…なあに千冬くん。会いたかったんだ?』
そうやっていたずらに笑う顔もどんだけ見たかったと思ってんだよ。
「ん…すげえ会いたかったよ。」
はあ…何言ってんだ俺は。ガキかよ。
『よしよし、これから毎日あえるね千冬くんっ』
そう言って優しく俺の頭を撫でたちゃんの手が懐かしくて愛おしくて…どうしようもなく好きだと思った。