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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第12章 伝えたいことは (黒尾鉄朗)



俺がうじうじしてる間に夏合宿がやってきた。やっくんとはほんとに仲がいいだけみたいだけど別に面白くはない。俺だってオフの日は一緒に映画に行きたいし、ご飯だってカフェだって行きたい。

いざとなると断られたらとか考えて言い出せない俺を研磨は毎度ため息をつきながら見守ってくれている。

夏合宿第一回目。
梟谷グループで行われる合宿。
この1泊2日の合宿は梟谷高校で開催される。

「ー!!来たかー!ヘイヘーイ!黒尾はなんかちょいちょい連絡取ってるし久々感ねえな!」

「そうね、たまに試合でも会うし」

相変わらず騒がしいやつだな。まあでも最近のモヤモヤが吹き飛ぶくらいのテンションではある。ありがたい。

『木兎くん!久しぶりだあ!』

「さらに美人になったな!」

1年経ってますからそりゃ磨きかかってますよ。

『木兎くんは褒め上手だなあ』

「いーや、ほんとだって!な?赤葦!」

「ええまあ…そうですね綺麗な方かと。」

「んだよな!あ、コイツ赤葦!今年入った1年な!」

綺麗な方かと…って綺麗に決まってますう!

「1年の赤葦です。セッターやってます。」

「2年の黒尾です。ミドルブロッカー、よろしくな。木兎のことで困ったことあったら見捨てろよ〜」

「そこは俺を頼ってとかでしょうが!!」

「ハハッ嫌だわ笑」

すっげえ落ち着いてんなこのセッターくん。
木兎の世話係か?

『マネージャーのです。よろしくね』

「はい、お願いします。」

「なあって彼氏とかいんの?」

『ううん?』

「まじ!?だって赤葦!」

「なんで俺に振るんですか」

「だってお前ドンピシャだろ!?」

「……、もう、行きますよ木兎さん。
さんすみません困らせてしまって。」

『あ、ううん?』

なんの悪気もない純粋な木兎の発言が俺の心にモヤをかける。ただ赤葦のタイプってだけだろ。それに本人は肯定してない。…否定もしてねえけど。

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