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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第11章 狂おしいほど愛してる (番外)



トントン拍子に進んでいく話。理解が追いつかず私は今相当間抜けな顔をしていると思う。

お腹の子の親になる私たちは結婚するのが普通…だもんね。竜胆くんの言ってることは間違ってない。

「ウェディングドレスはどんなのがいいかな?ちゃんならなんでも似合うよね。」

『ごめん竜胆くん…頭が追いつかなくて…その、』

「大丈夫だよ、ゆっくり一緒に考えていこう?」

『うん。』

ウェディングドレス。結婚式…。
そもそも本当に竜胆くんと…?

「ああそうだ。明日一緒に婚姻届取り行こうね。」

『え、明日?』

「嫌だ?なにか予定あった?ボスはもうこの事知ってるんでしょ?なら、ちゃんに仕事振らないと思うけど。」

『なんでマイキーが知ってるって…』

「…残念だけどちゃんが1番心を許してるのはボスだから。きっと最初に話すのは俺じゃなくてボスかなって。でもこれからは俺が1番になれるように頑張るよ。」

竜胆くんは多分本当に私のことをよく見ているんだと思う。私の好きなもの、他の人と話すときの表情や声色、態度。怖いくらいに私を知ってる。

彼は子供にも好かれやすいし、女の人は愛すより愛される方が幸せだっていう。それに竜胆くんと結婚したって生活はこれまでときっと変わらない。引っ越すわけじゃあるまいし。

それならお腹の子にとって最善の選択をしないといけない。夫婦関係であったほうがなにかと都合がいいだろうし。

追いつかない思考、進んでいく話、竜胆くんの愛。あとは私が腹をくくれば解決する。そうだ…なんにも変わらない。結婚なんて紙切れひとつの関係なんだから。

それに竜胆くんが大切な人なことに変わりはない。
きっと上手くいく。皆もいる。

『竜胆くん』

「ん?」

『…明日婚姻届取りに行ったら帰ってきて書いて…それで、またすぐ出しに行こっか。』

「え、い…っ、いいの?」

『うん、早い方がいいだろうし。』

「うん、そうしよ!」

少し驚いた表情見せた彼はすぐに笑顔を見せてくれた。私を思いっきり抱きしめて触れるだけの口付けを何度もする彼。













翌日、私たちは婚姻届を提出した。
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