第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
大好きなちゃんの声が扉の向こうから聞こえたから、飛び出して抱きしめてそのまま寝室に迎え入れた。
なんだか元気がなさそうだな。
『竜胆くんあのね…お話があるの…』
「え、うん。」
いつもと違う空気感。きっと真面目な話。抱きしめていた彼女を解放して話を聞く体勢をとる。
『あの…これ、。』
そう言って差し出されたのは噂に聞く妊娠検査キット。
「なにこれ妊娠検査のやつ?
…え、え、待って!?」
やっと赤ちゃんきてくれた!あんだけ中に出してたらさすがに…ね。それにやっぱり薬飲んでなかったんだ。後々聞いたら旅行で浮かれて飲み忘れてしまったらしい。俺からしたらラッキーでしかないんだけどね。
『予定日過ぎても生理が来なくて…朝検査したの…。そしたら陽性だった。お腹の子は間違いなく竜胆くんとの子。』
「そっか…!やっと赤ちゃん来てくれたんだ!」
ああやっと…俺だけのちゃんになるんだね。
『私は産もうと思ってる…竜胆くんはどうしたい?』
「もちろん産んで欲しいよ。だって俺はずっとずっとちゃんとの子供が欲しかったわけだし。」
そんなの産んで欲しい一択でしょ。
婚姻届も用意しないと。
『そっか。それが聞けて安心した…』
安堵したような表情で瞳を潤ませている彼女。
「もしかして俺が堕ろせって言うと思ってたの?」
『もしかしたらの可能性を考えちゃって…』
「そんなこと言うわけないでしょ。俺とちゃんの子だもん絶対可愛いよ。ねえこの際部屋一緒にする?どっちかの部屋は子供部屋にすればいいよ。」
『お、お部屋は別にこのままでも…?』
「夫婦になるのに離れて寝るの寂しいよ」
『ふうふ…?』
ぽかん、とした表情の彼女。
まさか結婚しないとか言わないよね。
「ちゃん俺のお嫁さんなるでしょ?」
『あ…、えっと。』
俺がお腹の子のお父さんなら結婚するのが普通の流れだと思うんだけど。それにこの時を俺がどれだけ待ってたか。…絶対逃がさない。