第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
私は妊娠していた。
いまだに頭が追いつかない。
1人自室に戻ってぐるぐると考えてしまう。
竜胆くんになんて言おう。
彼が望んでいた事とはいえ本気じゃなかったかもしれないし、堕ろせって言われるかも。
その日の夜、もともと約束をしていた竜胆くんの部屋に検査済みのキットを持って向かった。
『竜胆くん、入っても大丈夫?』
いつもみたく勢いよく開いたドアから彼が出てきて、私をガバッと抱きしめると、そのまま寝室に招き入れられた。
「ちゃん今日もかわいい。でも元気ない?どうしたの?」
『竜胆くんあのね…お話があるの…』
「え、うん。」
いつもとは違う空気感を感じたのか抱きしめていた私から少し離れて話を聞く体勢になる彼。
『あの…これ、。』
「なにこれ妊娠検査のやつ?…え、え、待って!?」
『予定日過ぎても生理が来なくて…朝検査したの…。そしたら陽性だった。お腹の子は間違いなく竜胆くんとの子。』
「そっか…!やっと赤ちゃん来てくれたんだね」
『私は産もうと思ってる…竜胆くんはどうしたい?』
「もちろん産んで欲しいよ。だって俺はずっとずっとちゃんとの子供が欲しかったわけだし。」
『そっか。それが聞けて安心した…』
またひとつ肩の荷がおりた気がした。
段々と受け入れ始めている自分がいる。
私はお母さんになるんだ…しっかりしないと。