第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
2週間後。
予定日を過ぎても生理が来ない。
今まで予定日がズレることは何度もあったしおかしい事ではないのに、可能性として〝妊娠〟の2文字が脳裏によぎる。
『まんじろ…ちょっといい?』
「うん、俺の部屋おいで」
『ありがと。』
万次郎の部屋につくなりベッドに座らされて、その隣に彼も腰を下ろした。
「もしかしてだけど生理きてない?」
『…うん』
「検査は?」
『まだ…。』
「今からする?」
『…う、ん』
「うん、じゃあ待ってて」
部下の子に電話を1本入れて検査キットを買ってきてほしいと連絡をしてくれた。
「不安?」
『うん…ごめん』
「なんで謝んの。お前の身体なんだから不安になるのは仕方ないでしょ。大丈夫だよ俺たちがいるから大丈夫。」
優しく頭を撫でてくれる万次郎の手が心地よくて落ち着く。私の不安を取り除くように大丈夫、と抱きしめてくれる彼に今まで何度救われてきただろう。
『ありがとう…なんか落ち着いてきた。』
コンコン 万次郎の部屋のドアがノックされる。
「首領、頼まれてたもの買ってきました」
「そこ置いといて」
「承知致しました。」
「取ってくるからここいて」
白い髪を揺らして立ち上がった彼がドアの向こうに置かれたソレを取って戻ってくる。
「別に今やらなくてもいいんだからな?」
『うん…でも…やってくる、ね。』
彼の手から検査キットを受け取って御手洗で検査をしてみる。結果は怖くて見れなくて…そのまま袋に戻して万次郎の待つ部屋へと帰った。
「どうだった?」
『…まだ、みてない…っ』
「俺が先に見る?」
『…ん、お願い…。』
「わかった。それちょーだい」
きっともう結果の出ているソレを彼は私の手から受け取って確認をしてくれる。
『…み、見た?』
「うん、も自分で見た方がいいよ」
『…ぅん。』
彼の反応ではどんな結果か読み取れず覚悟を決めて結果を確認する。
『……っ、』
「はどうしたい?お前が望まないなら堕ろしたっていいんだよ。竜胆には言わないから。」
『…堕ろすのは…やだ。赤ちゃんに罪はないもん。…竜胆くんには後で私から話す…。』
「分かった。俺は絶対そばに居るから安心して。」
『うん…ありがとう万次郎。』