第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
毎度の事ながら意識を飛ばしてしまった彼女をバスルームまで運んで軽く汗を洗い流す。ガウンを着せてベッドにそっと降ろすと珍しく目を覚ますちゃん。
「起こしちゃった?」
『ん…ごめん竜胆く、ん…お風呂…ありがと、』
まだふわふわとしている意識の中俺を視界に捉えてふにゃりと微笑みながら言う。
「いつも無理させちゃってんの俺だから気にしないでよ。だからって抑えられる自信もないけど。」
『…くすり…飲まないと…』
「薬?なんの?」
ちゃんが今必要としてるのはきっと避妊薬。全部俺が持ってるのに白々しく聞き返してみた。
『んぅ…飲まなきゃ…部屋、戻る…』
ふらふらと立ち上がって自室へと戻るろうとする彼女を捕まえて再びベッドに引き戻す。
「ここにいて?朝まで隣にいてくんなきゃやだ。今夜は俺と過ごしてくれるんじゃなかったの?」
『あ…ぅん、そうだね…薬は起きたら飲む…。』
薬が無くなったことに気づいてない?もしかしてあの日から薬を飲んでいないんじゃないかと期待が膨らむ。でもなんで気づいてないの?アレじゃなかったのかな…。
「眠い?身体だるい?飛行機疲れたでしょ。1番に俺に会いにきてくれてありがとうね。俺超幸せだよちゃん」
『こんな事で幸せになってくれるならいつでも呼んでよ』
「いつでも?ほんとに?」
『うんいつでもだよ』
「大好きちゃん。やっぱ俺のお嫁さんなってよ。」
『それはぁ…まだもう少し考えさせ、て…?』
「いつまででも待ってるよ。」
俺のちゃん。俺だけのちゃん。俺との子供孕んでないかな?そしたら俺のお嫁さんになるしかなくなるよね。一生俺だけの…考えただけで心が満たされて高揚する。
今にも眠ってしまいそうな彼女の頬にキスをして抱きしめる。こんな幸せな時間は無い。目を瞑ったままぴたりと俺にくっつく華奢な身体。
「寝ちゃった?」
声をかけても返事のない彼女に何度もキスをする。可愛い可愛い可愛い。大好き。愛してる。赤ちゃん早く来て…今すぐ…早く俺だけのちゃんにしたい。