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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第11章 狂おしいほど愛してる (番外)



マイキーと過ごす旅行はあっという間だった。だけど4日目、この旅行で初めてマイキーから求められた時に重大なことを思い出した。

「いい…?」

『あ…まっ、てマイキー…』

「なに?俺結構限界キてんだけど。」

『ほんとに待って…どうしよ、う…』

「体調わりぃの?なら我慢するけど」

『ちがう…私…薬飲んでない。』

「薬?なんの?」

『避妊の…ピル飲んでないの…どうしよう。』

蘭くんとシた後は飲んだ。蘭くんがくれたから。薬飲みに帰ると思ったからってわざわざ用意してたみたい。

でも竜胆くんとシたあとは…?飲んでないよ。もう4日も経ってる…今服用したって意味が無い。

「ピルなんて飲んでたの?なんで?」

『竜胆くんが本気で私との子供ほしがってて…ゴム着けたがらないから飲んでたんだけど…私うっかりしてて…どうしよう…っ!』

「まだ赤ちゃんできたって決まったわけじゃねえだろ?それにデキてたって産めばいいじゃん。お前きっといい母親になるよ。竜胆だってガキに好かれやすいし平気だって。」

じわりじわりと不安が押し寄せる。私だっていつかはって思う。でもそれはきっと今じゃないし、この世界で育ててその子は幸せなのかって考えちゃう。

『…ごめん雰囲気壊した…。』

「そんなの俺がいくらでもその気にさせてやるし気にすんな。」

せっかくの旅行なのに…私の身体を考えてマイキーはこの4日間我慢してくれてた。

「?大丈夫だからそんな顔すんなよ。もしまじでの腹の中にガキがいたとして、なんも問題ねえって。そりゃ腹ん中で育てんのはお前だし不安かもしれねえけどさ…産まれてきたら父ちゃんたくさんいるみてえできっとそいつ幸せになれるって。」

『万次郎…』

「竜胆のやり方は間違ってるかもしんねえけどさ、なんかあっても俺たちいるから不安がんなくていーよ。」

『うん…ありがと万次郎…』

「みんなお前の味方だよ。だからそんな顔すんな。」

優しく抱きしめてくれる彼の体温に不安がとけていく。こんなに頼もしい人達って他にいないよね…だから大丈夫。もし何かあってもきっと大丈夫。
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