第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
約10時間のフライト。
はじめくんの取ってくれたシートのおかげでゆっくり寝られたし体も痛くない。
到着したのは真夜中。
機内で休めたとはいえ早くホテルに行きたいな。
「とりあえずホテル行って休むか?」
『うん。そうしたいかな。』
当たり前のように私たちは2人で1部屋。お部屋のベランダがプライベートプールに繋がっていて24時間いつでも入れるみたい。
『素敵なお部屋!マイキーが選んだの?』
「うん。お前プールとか好きでしょ。刺青のせいで日本のはあんま入れないって言ってたからさ…たまにはな。」
『嬉しすぎてどんな顔したらいいか分からないや』
「すげえ幸せそうな顔してっけど」
『うん、すっごい幸せ。ありがとマイキー。』
誰よりもお互いを知っている。誰よりも素を出せる。誰よりも長い時間を一緒に過ごしてきた。彼といる時が1番落ち着く。
「今は入んねえだろ?とりあえず休もうぜ。」
『うん。あ、ベッド入る前にお風呂行ってくるね。』
「ん」
1人で広いジャグジーに浸かる。疲れがお湯に溶けていくみたい。お気に入りのバスソルトも日本から持ってきた。春くんが持ってけって持たせてくれたんだ。
リラックスしきっているとバスルームの扉が開かれた。
「やっぱ俺も入る」
『ちょっとマイキーノック!』
「俺らの間にんなもんはいらねェ」
『いい感じに言ってるけどダメだから!』
「そんなぷりぷりすんなって、な?
待ってるの退屈だったんだもん。」
『はあ…もう好きにして…』
「ふは、好き♡」
何を言っても聞かないんだから仕方ない。彼のワガママはなんでも通るように世界はできているのかとさえ錯覚してしまう。それでも皆彼について行くのだから敵わない。
広いジャグジーは2人で入ってもまだ広かった。それなのに私を包むように後ろに座ってぴったりと肌を寄せるマイキー。
『ちょっと…広いんだから離れて?』
「えー。さーみーしーいーっ!」
『…もぉ。』
「俺がくっついてちゃダメなの?」
『そんなことないけどせっかく広いから…』
「やだ、離れたくない。」
そばにいてと呟いた彼が私の身体を抱き寄せて、振り向いた私を射抜くように見つめる。