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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第11章 狂おしいほど愛してる (番外)



お言葉に甘えて部屋に戻る途中、後ろから追いかけてきた人に腕を掴まれる。

「ちゃんっ」

『竜胆くん?どうしたの』

「え、あの…約束覚えてる?」

『覚えてるよ?』

今日の夜は竜胆くんと過ごすって約束してた。ちゃんと覚えてる。覚えてるけど蘭くんに抱かれた余韻で今日はもうだいぶぐったり。

「部屋ちょっと散らかっててさ、整理したいから30分後に来てもらってもいい?」

『分かった。それくらいに行くね』

「うんありがと」

時間までマッサージをしたりストレッチをしたり、自室でできることをして待つ。寝室は微かに竜胆くんの匂いが残っていて、不思議な感覚になる。私が誰かの部屋に行くことはあっても私の部屋に誰かが来ることはあまりない。別に部屋に人を入れたくないとかじゃなくて、自然とそうなってるだけ。

なんやかんやしているうちにあっという間に30分がたっていた。

『竜胆くん、入っても大丈夫?』

バタバタとドアの向こうから足音がして勢いよく開く。

「ちゃんっ」

飛び出してきた竜胆くんがガバッと私を抱きしめて部屋へと招き入れられる。

『ごめんねちょっと遅かったよね』

「ううん、待たせてごめんね。散らかった部屋にちゃんを入れるわけいかないからさ。」

『そんなの気にしないのに』

「ねぇあのさ。」

『ん?』

「兄貴の部屋いった?」

『はじめくんにも言われた…そんなに分かる?』

「全身から兄貴の匂いするんだけど。兄貴の部屋の風呂入ったでしょ?」

『うん、蘭くんの部屋の借りた』

「俺が寝てる間に兄貴と何してたの?風呂入んなきゃいけないような事?」

私を抱きしめたまま言う竜胆くん。薄紫の瞳に見つめられて視線を逸らせない。

『お、こってる…?』

「ううん嫉妬。ちゃんから他の男の匂いしてるとかまじでヤダ…兄貴でも無理。」

『竜胆くんのお部屋のお風呂借りてもいい?』

「え?」

『竜胆くんと同じ匂いになってこようかなーって』

「え、ほんとに?もちろんだよ使って!」

ブンブンと大きく振れるしっぽが見えるきがする。あっという間にバスタオルやらを用意してくれた竜胆くん。
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