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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第11章 狂おしいほど愛してる (番外)



柔らかな白い髪に指を通して頭を撫でると今にも寝てしまいそうな瞳が私を視界に捉える。

『眠たいよね』

「うん…でもの飯食いたい。」

『じゃあリビングいこっか。』

「…」

『どうしたの?』

「キス…してくんない?」

私の腰を抱き寄せて上目遣いでそう言った。

『そしたら元気出る?』

「でる」

『1回だけね』

「うん」

椅子に腰掛けたままの彼の唇に触れるだけのキスを落とす。離れようとする私の腰をさっきよりも強く抱き寄せて後頭部には手が回った。

『…っん』

「ごちそーさま」

はじめくんの長い舌が私の唇をなぞってもう一度触れるだけのキスをする。

『もう…行くよっ』

「なに、照れてんの?」

『そんなんじゃない…っ』

「なあ、もしかしてさっきまで蘭といた?」

『え、うん。どうして?』

「蘭と同じ匂いがする。」

立ち上がった彼が私の髪をひと束手に取って鼻を寄せる。

「蘭の部屋の風呂入った?」

『うん蘭くんのお風呂かりた。』

「ふーん、妬ける。
今度俺の部屋で一緒に入ろうな?」

『うん』

「そろそろいくか。」

はじめくんに手を引かれてリビングへと入るともう皆集まっていた。

「おい九井喧嘩売ってんのか」

私たちを見るなり口を開いたのは春くん。

「あ?だまれ薬中。」

「ちゃんの手離せよ九井」

「男の嫉妬は醜いぞ竜胆」

「は?」

はじめくんだって妬けるとかいってたくせにー。でもここは私が止めないと…!

『ご、ご飯食べよ?冷めちゃうよっ』

「がせっかく作ってくれたんだからくだらねぇ喧嘩してねえで早く食おうぜ〜」

珍しく助け舟を出してくれた蘭くんに皆納得してくれたみたいでそれぞれが席に着いた。



「ごちそうさま。今日もうまかった」

いつも美味しいと言ってくれる竜胆くん。こう言ってくれる人が1人いるだけで作りがいがある。

「俺片付けとくからは休みな」

『え?』

真っ先に立ち上がった蘭くん。

「なんだよたまには蘭ちゃんも手伝うって」

『ありがと蘭くん』

「さっきは無理させたからなあ♡」

私にしか聞こえない小さな声でからかうように言う蘭くん。だからお詫びだよって最後につけ加えてキッチンスペースへと消えていった。
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