第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
「ただいま〜」
『おかえり蘭くんありがと〜』
「ういー」
『竜胆くん起きた??
あ、春くん大丈夫かな溺れてないかな。』
「竜胆は多分もーちょいしたら来ると思う。三途んとこも覗いてきたけどシラフだったし平気だと思うよ。すぐ来るっしょ。」
私が言わずとも春くんの所に行ってきてくれたんだ。やっぱりなんだかんだ言って仲良しなんだなあ。普段は喧嘩ばっかなだけにニヤニヤしちゃうなあ。だてに10年以上一緒にいないよね。
「なんだよ」
『んー?なんだかんだ春くんと仲良しだなあって』
「別に仲良くはないでしょ。が三途のこと心配してっかなーと思って声掛けてきただけだよ。」
『そういう事にしといてあげる。じゃあ私ははじめくん呼んでくるから蘭くん飲み物だけお願い。』
「ん、分かった」
普段はお手伝いなんてしない蘭くんが、どういう風の吹き回しかお手伝いをしてくれた。背が高くて顔も整ってて、オールバックの良く似合う蘭くんはまるでモデルさんみたい。
きっと今まで色んな女の子を泣かせてきたと思うし、彼を好きになった女の子は星の数ほどいるんだろうな。
そんなことを考えながらはじめくんの部屋にやってきた。
『はじめくん、ご飯できたよ』
「?中入ってきてくれるか?」
ドアを開けて中に入ると書類にまみれて目の下に隈をつくったはじめくんがパソコンとにらめっこ中。
『わ…すごい量だね…寝れてる?』
「今日で1、2、3…日くらい寝てねぇかも。」
『え、3日も!?今日は…寝よう?』
「あぁ、そのつもり…でもこれだけ片付けたい。」
『きり悪いかもしれないけど…一旦ご飯にしない?パスタとコロッケだよ。』
「俺めっちゃコロッケ食いたかったんだよね。毎日飯作ってくれてありがとな。お前がいるからこの激務もギリ耐えられる…。」
そういって隣に立つ私に半身を預けるはじめくん。料理は好きだし苦じゃない。それが誰かの役に立ってるならお易い御用だ。