第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
『んー美味しいっ』
「良かった良かった。
蘭ちゃんにも1口ちょうだい?♡」
ゼリーを頬張る彼女を後ろから抱きしめて頬にキスをする。スプーンに掬われたゼリーが俺の口元までやってきた。
『どーぞっ』
「やだ、口移しがいい」
『え、口移し??』
「だめ?俺から口移しされんのすっげぇ好きなんだよね。」
恥ずかしそうに躊躇いながら、でも零さないよう一生懸命な姿がいつ見ても初々しくて小動物みてえで可愛いからやらせたくなる。
『い、1回だけだからね…っ』
「はーい♡」
スプーンに掬っていたゼリーを自分の口に含んで俺を振り返ったがゆっくりと近づいてくる。重なった唇を少し開けて零れないよう受け取る。
『…っん、』
時折舌が触れると小さな声を洩らす彼女。
その声にたまらなくそそられる。
「ごちそうさま」
『っはぁ、…んっ』
「なぁ、さっきから誘ってんの?」
『…っ、ふぇ?』
「えっろい声出して、俺のシャツ掴んでさ。蘭ちゃん超溜まってるから相手してほしんだよねー?」
『ちが、う…っ蘭くん…?』
「んー?なになに?」
向かい合わせの状態で俺の足の間にすっぽり収まっている彼女の腰に手を添えて指先を服の中に差し込むと再び俺のシャツをきゅっと掴む。
『手…が入ってるよ…っ』
「蘭ちゃんとイイコトしような」
『んぁ…あっ、だめ、ぇ…ッ』
「相変わらず敏感だなァ?」
『だって蘭くんの触り方が…ぁんッ』
「竜胆ばっか構って俺のこと放っておくからお仕置。夕飯もどうせ竜胆のリクエストだろ?」
『な、なんで分かるの…っ?』
「俺はアイツの兄貴だからなぁ」
俺は竜胆の兄貴だから。いつだって俺のおまけに見られてる竜胆が可哀想でならなかった。俺の隣を任せられるのはアイツしかいねぇのに。でもだけは違った。竜胆を1人の人間として見てた。その上いい女なんだもんな、そりゃ落ちるわな。