第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
「おっかえりんど〜」
待ってましたと言わんばかりに出迎えをする兄貴。見送る時同様ニヤニヤとして面倒臭い予感しかしない。
「ただいま」
『ただいま蘭くん』
「なになに竜胆でっけえ荷物2つも持っちゃって。そういうの下っ端にやらせんじゃんいつも。」
「そういうのちゃんはよく思ってないだろ。」
「そゆこと。俺の弟は可愛いねえ♡」
「うっせ。」
毎度毎度絡んで気やがって。分かってんならちゃんに手出すんじゃねえと言いたいとこだけど、まだ俺の彼女じゃないしな。
「〜♡今日の夕飯何?ここ2日間ろくなもん食ってねえから蘭ちゃん美味いもん食いたーい。」
甘えるように彼女の名前を読んで背後から抱きしめる兄貴。それを当たり前のように受け入れてニコニコとしているちゃん。
『今日はクリームパスタだよ。鮭とアスパラ入れようかなって思ってるけどどう?』
「超美味そう楽しみ♡」
「ちゃん俺手伝うよ」
『竜胆くんは寝てなさいっ!全然寝てないんでしょ。ご飯の時間になったら起こしてあげるから休んでて?』
兄貴の腕からするりと抜けて俺の手を引くちゃん。
「あ、え、この部屋」
『うん、私のお部屋。疲れに効くアロマ焚いてあげるから私のベッドで寝てて?冷蔵庫に飲み物入ってるから好きなの飲んでね。』
「あ、うん」
『じゃあ、おやすみなさい』
俺をベッドへと促してアロマを焚いて部屋を出ていった彼女。ちゃんのベッド…めっちゃ優しい匂いする。アロマもなんか…あーやべぇ眠くなってきた。
昼間見たちゃんの乱れる姿、俺を呼ぶ甘い声、上がった息…思い出すと下半身が熱を持ち始める。彼女の匂いに包まれてるのも相まってあっという間に硬くなった。
「ごめ…ん、ちゃんの部屋でこんな…っこと」
服の上からスリスリと触れるだけで押し寄せる射精感。それでも疲労と睡魔に抗えず、絶頂を迎えるよりも前に俺は眠りに落ちていった。