第11章 狂おしいほど愛してる (番外)
『や、やだな〜竜くんたら。
綺麗な女の人ならたくさんいるでしょ…?』
「え?俺ちゃんのこと好きって何回も言ってるよね?冗談だと思われてたの?」
『春くんもはじめくんも言うから…その、からかわれてるのかなぁとか…思ったり。』
「アイツらも大概マジだろうけど俺が1番ちゃんのこと好き!他の女んとこ行くと思われてたの超嫌なんだけど!?」
『ご、ごめんなさい…?』
何度も好きだって伝えてきたし、何度も身体を重ねてきた。その度に俺だけのものになればいいって思ってた。
「俺まじでちゃんのこと好きだよ」
『わ、分かったよ…っ』
「いーや、分かってないね」
信号に差し掛かったところで道を1本それて車を進める。
『あの、竜くん?スーパーは今の信号を真っ直ぐだったと思うんだけど…?』
「あっち混んでて進まないからこっちから、ね?」
『そっか!私ほかの行き方全然分からないから竜くんと来てよかったぁ。』
しばらく走って駐車場へ車を止めると違和感に気づいたらしい。繋いでいた手が離れてペチン、と頭を叩かれた。
『竜くん。』
「はい」
『ここスーパーじゃない。』
目的のスーパーではなくホテルに到着した車から降りようとしない彼女。ムッと膨れる頬が可愛らしい。どうやら本当に怒っている訳では無いらしい。
「はい、降りようねちゃん」
運転席をおりて助手席のドアを開ける。座ったままの彼女にかがんでキスをしてからカチャリとシートベルトを外すと頬がさらに膨れた。
『…もうっ!』
「俺の愛が伝わってないみたいだからさ」
『だからそれはちゃんと分かってるってば!』
「全然分かってねーの。ほら行くよ?」
華奢な手を引いて建物の中に入る。フロントのパネルで部屋を選ぶ俺の後ろでまだ不満気なちゃん。
『竜くんのばか。ばーか。』
「そんなん言っても離してやんないよ?」
『…竜くんのえっち。へんたい。』
「はいはい、これからその変態に啼かされるえっちな子は誰だろうな?」
2人でエレベーターに乗り込んで部屋に向かう。その道中も頬は膨れたままだった。そういうのクソ可愛いくて逆効果って教えてやんねえとだな。