第10章 約束 ( 北信介 )
が行きたがってたプラネタリウム。たまたまチケットを貰って当たり前に彼女を誘った。ほんまに嬉しそうな顔して喜んでくれて…そんだけで俺も満たされる。
が何を考えて、誰を想ってこの夜空を見とるかは分からへん。少なくとも俺はのことで頭がいっぱいや。
物心ついた時からが好きやった。それなのに会うたび、知るほどにまだ好きになっていく。俺が侑に勝てるところなんてを想ってきた時間くらいしかないから…せめて俺を見てくれたらって服装を変えてみたりした。
メイクを変えた彼女にドキドキしたんと同じようにも俺を想ってくれているやろか。
プラネタリウムのあとのことを考えとらんかったけど、彼女がカフェに行こうと提案してくれた。母さんたちに連れられて小さい頃によく来たカフェ。懐かしいね、と笑う彼女。
ガキの頃から一緒におる俺としか共有できひん時間やと思うとなんとも言えない優越感や。
「」
『うん?』
「新しいメイク可愛ええなぁ」
ほんま可愛ええ。何を着てもどんなメイクをしてもよう似合うとる。
『な、なに急に…っ』
「急ちゃうよ。待ち合わせた時も言うたやろ?」
視線を逸らしてオロオロと照れ出す。
『そ…んなこと言うたら信介くんやって今日なんかめっちゃお洒落やし…ほんま…かっこええ。』
なんや、言うてくれるとか思うてへんかったなあ。
「うん、にかっこええ思われたくて変えてみてん。やからめっちゃ嬉しいで。こっちの方が好き?」
『好き…やけどドキドキするからたまにでええ…。』
「こっちのが好きってことやんな?
ええこと聞いたわ、ありがとさん」
視線を逸らしたまま顔を赤らめて言うもんやから、ほんま分かりやすい子や。服なんてあんま興味あらへんかったけどのこんな顔を見れるなら頑張ろうと思える。俺も大概ちょろいわ。