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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第2章 狂おしいほど愛してる(梵天)


ガチャ

『ごめんお待たせ竜くん!』

「あーいや全然待ってねえよ」

勢いよく開いたドアの向こうからちゃんが飛び出してきた。ワインレッドのセットアップに身を包んだ美しい彼女。服に合わせて塗られたワインレッドのリップもとても似合っている。

『よーし、いこうっ!』

見惚れていた俺はちゃんの声で我に返る

「どこいくの?」

『んー、決まってない。表参道とか?』

「あー、まあ店多いしカフェあるし…
そうだな表参道行こうか」

『うんっ!今日はたくさん買っちゃおっと!』

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「ねーちゃん次はどこ行く?」

『ねえ私ばっか付き合ってもらってる!
竜くんどっか行きたいとこないの?』

たしかにちゃんの行きたい店ばっかり行って、お昼も俺が家を出る前に予約したちゃんの好きなイタリアンを食べに行った。俺は別に買いたいものも行きたいところも無かったからいいんだ。ちゃんと2人で並んで歩いて、彼女の荷物は全部俺が持って、似たようなコーディネートで…周りから見たら俺たちはカップルに見えんのかな。

だから別に欲しいものなんて…

あ、そうだ。

「あ、ここ寄っていい?」

『もちろんだよー』

店に入るなりショーケースに並べられたアクセサリーを真剣に眺める。

「ちゃん何か選んでよ」

『え?竜くんが付けるアクセ私が選んでいいの?』

「あー…うん、どれがいいかな」

『うーん、あ、これ素敵!』

彼女が指さしたのは灰色がかったような紫の小さな宝石が埋め込まれているリングだった。

「これ?」

『うん!竜くんの目の色みたいで綺麗だもん』

そんなこと言われたのは初めてで、笑顔を咲かせながら無邪気に言ったちゃんに胸がきゅうっとなった。

「そ…うかな?」

『うんうん!竜くんの目綺麗で大好きよ』

そう言って彼女はまたショーケースに視線を移す。“かわいいなー”“素敵だなー”なんて呟きながらアクセサリーを眺めるちゃんがあるひとつを見つめてから俺を振り返った。

『竜くんどれか買うの?』

「せっかくだしちゃんが選んでくれたやつにする」

『ほんと!すごく似合うと思うよ!』
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