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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



なんで…さんの家でシャワー浴びとるんや。雨降るの知らんかったし!折りたたみ小さいのに入ってええ言うし!さんのこと濡らすわけにいかんし!俺別にそんな風邪とか引かんから大丈夫やのに…さん優しいなぁ…。

ていうか家誰もおらん…のかな。

雨…一生降っとればええのにな。

「さーん…?お風呂あがりました〜」

『突き当たりの部屋入ってきてー』

突き当たり…あそこや。少しだけ開いた扉の隙間から確かにさんの声がした。中に入ると部屋着に着替えたさんが待っとって、座るよう促される。

「失礼…します。あのここ…さんの部屋?」

『せやで、かしこまらんくてええから座って?雨まだ降っとるしゆっくりしていきや。』

「女の子の部屋初めて入った…です。」

『そうなん?意外やな』

「え!意外です!?
遊んでそうって意味ですか!?」

『んー、まあ…まあ、そうやな。』

え、ちょっと失礼ちゃう!?
俺バレーしかしてこんかったしこんなに好きになったのさんが初めてやねんけど!?

「ショックやねんけど…俺バレー以外で夢中になったんさんが初めてやのに…。」

『それは…ごめんね?』

「うざいくらい伝え続けるんでええですけど!ほんでスウェットまで貸して頂いてありがとうございます。えと…さんお兄さんいたんですね。」

やばいやばい緊張しとるで俺…。
変に力入ってまう…。

『うん、言っとらんかったっけ?
私より5つ上で今海外におるんよ。』

「海外!かっこええなあ」

『あのさ宮くん、話…なんやけど。』

「あ、はい。」

そや、話をするために一緒に帰ったんや。
俺を選んでくれたからちゃう。

『信介くんとは話した。』

「はい。」

『これからも信介くんとおるから…』

「…っ」

『だからごめんね。昨日のことは忘れて。』

「…嫌です。」

『え?』

「さんの気持ちがせっかく俺に向き始めてたんに無かったことに出来るわけないやん。」

せっかくのチャンス俺が逃すわけないやろ。
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