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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



今日はインターハイ準決勝。
決勝の日は見に行かれへんって言ったら、準決だけでもええから見に来てやって信介くんが。俺の仲間すごいんやでって嬉しそうに話す彼は主将の顔をしとった。

インハイの準決までいっとるんやから言われんでも凄いチームやなって分かるで。みんな毎日頑張っとるの見とったしな。

会場に着くと稲荷崎の横断幕が目に入った。

漆黒に金色で書かれた

〝思い出なんかいらん〟の文字。

いつ見てもかっこええな。
この横断幕好きやねんなあ。

始まるまで時間あるな。
信介くんなにしてるんやろ。
きっと集中モードやんな。

座席おっても仕方ないし一旦でようかな。

物販とかあるんや。テニスはほぼ外やからな…やっぱ中のスポーツええな。天候に左右されへんし、どうしたらいいか分からへん空き時間もなんとなく潰せそうやんな。

「、もう来とったん?」

『あれ、信介くんなんでここおるの』

「まだだいぶ時間あるから気持ち落ち着かせがてら歩こうかと思ってん。」

『そっか、私も早くついたからプラプラしとった。』

時間まで2人でいよかって外のベンチに並んで座る。

「なあ、なんで今日は髪あげてるん?
ポニーテールってやつやろ?それ」

『今日めっちゃ暑いって聞いたからあげてみたんやけど、変やったかな?』

「逆や、めっちゃ可愛ええ似合っとる。
いつもと違って驚いただけや。」

『たまにはあり?』

「大ありやな、ほんま可愛ええ。
外ちゃうかったらキスしとる。」

『もう、信介くん!』

「あと、リップがいつもとちゃうな?」

『え、すごい…新しいの買ったから使ってみたの』

「めっちゃ似合っとるよ。」

『なんか…照れる。』

「ははっ、は照れ屋さんやなあ」

私を覗き込んで頭を撫でる優しい手。
どんな小さな変化も見落とさずにいつも褒めてくれる信介くん。ほんま愛されとるなって感じる。

『そ、そろそろ時間やない?』

「まだちょっとあるけどな、戻っとこか。」

『うん、それがいいよ』

「戻る前に…ちょっとこっち」

手を引かれて会場の裏みたいなところで足を止める信介くん。

『どうしたん?』

「が可愛すぎてな…ちょっと独り占めしたくなってん。少しだけでええから抱きしめさせて?」

『何言って…わっ』
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