• テキストサイズ

今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



また今年も一緒に行こかって男バレの2年で夏祭りに来た。今年も変わらず非リアやなって去年から1人も欠けることなく同じメンツや。

「焼きそば食いたい」

「食えばええやん」

「あとたこ焼きとりんご飴と…」

普段やったらええけど祭りとか文化祭ですらめっちゃ食うねん!ゆっくり楽しもうやって言っとるんに。

「あれ北さんちゃう?一緒におるのさんや。ツム話しかけんでええの?」

「あえて話しかけてへんねん。好きな人が彼氏とおるとこ行ったって楽しないやろが。」

「ふーん」

俺がさんに気づいてないわけないやろ。訳分からんまま距離置かれて避けられて…なのにどんな人混みの中におってもすぐ見つけてしまう。

廊下ですれ違ったら挨拶するし、今でもさんと話す時は緊張すんねん。ドキドキもすんねん。めっちゃ好きや…けどさすがの俺も嫌われるんは怖い。やからメールも送れへん。

「でも久々話しかけてみようかな…ってサムは!?」

さっきまで隣おったやん!?

「治なら北さんとこ行ったよ」

角名の指さす先にさんと話すサムが見えた。ええな…俺やって避けられてへんかったら普通に話したい。

「侑さ、さんとの絡み減ったよね」

「せやなぁ」

「もう好きじゃないの?」

「めっちゃ好きやで」

「じゃあなんで話しかけないの」

淡々と質問を繰り返す角名と、黙って聞いてる銀島。

「だって…嫌われたないやん。
それに付き合うずっと前から北さんのこと好きやったんやって。知ってても諦められへんかったし、かと言って祝えへんねん。」

「答えでてんじゃん。
諦められないのに見てるだけっておかしくない?それほぼ諦めてんのと一緒でしょ。」

「角名ほんまお前なぁ!
他人事やからって好き勝手言いよって!」

「まあまあ侑!ほら、治も戻ってくるし落ち着きや!俺も角名も侑のこと応援してんねん!さんとおるときの侑めっちゃ楽しそうで俺好きやで!」

角名の言う通りやねん。言う通りすぎて腹たってしもうたけど、銀島のいうさんとおるときの俺は自分でも分かるほどに浮かれてて幸せオーラ全開やねんな。
/ 866ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp