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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



「、覚えとる?」

『うん?』

最近浮かない表情の彼女。
考え事をしていることが多い気がする。

俺がおもちゃ屋さんの前で足を止めると不思議そうに首を傾げる。

『なんか欲しいものあるん?』

「ううん、これ覚えとる?」

昔2人で買ったおもちゃの指輪を手に取る。

『覚えとるよ、アクセサリーケースに入っとる。初めて信介くんがくれたプレゼントやもん。』

「俺もとってある。約束したからな。」

『うん、大人になって信介くんが本物をプレゼントしてくれる日までは大切に持っておくって…。』

「覚えとるん俺だけちゃうかなって思ってたから嬉しいわ。」

指輪をみて微笑んだ彼女の手を取って屋台を見て回る。あんな昔の約束覚えててくれてるんやな。今までの違和感とかは全部気のせいちゃうかなって思ってまうわ。

『あ…宮くん』

「侑?…あぁ、角名たちと行く言うてたわ」

『そうなんや』

少し遠くにおる男バレの集団を見つけて侑の名前を口にする。の口から侑の名前久々聞いたけど毎回心臓きゅってなるんよな。

「最近侑とおるとこあんま見いひんけど喧嘩でもしたん?」

『ううん、宮くんがあんまり話しかけてこんだけやで。もう私に飽きたんちゃうかな。』

「彼氏としてはええことなんやけどな」

『そうだよ。私信介くんの彼女やもん。信介くんがおればそれでええよ?』

「あんま可愛いこと言わんといて。
ここが外って忘れてまうから。」

『もう!信介くん!』

「すまんな笑」

が侑と絡まなくなったんはいつからやろうか。侑は今もを目で追っとるのに、飽きたなんてことあらへんはずや。

「北さん、さんこんばんは」

『治くんこんばんは。
バレー部でお祭り来てたんやね』

「さんは相変わらず北さんと仲ええですね。」

『恋人の前に幼馴染やからね。
毎年一緒に来とるから今年もって。』

「俺たちも去年と同じメンツです。
彼女いない同士やなーって集まってん笑」

治とは普通に話すのに侑の方を見ようともせんのは何でや。俺としてはええんやけどな…アイツかっこええし、俺より背もあってバレーもうまい。それでも俺を選んでくれたんやからそれでええやんな。
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