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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



眠い。何をしててもどれだけ寝ても眠い。
生理中っていうのもあるけど薬のせいかなぁ。

「私たちトレーニング室いくけどどうする?
まだ体辛い?」

『んー、私はここにいようかな。』

「わかった、帰り温かいもん買うてくるわ!」

『ほんまに?ありがとー、、、』

運動部に所属しているクラスの女子何人かでたまにトレーニング室へ行って体を動かす。お昼休みのこの時間まで部活に割くなんてって感じやけどリフレッシュできて好きだったりする。

でも今日は万全じゃないしやめておくことにした。

机に伏せると同時に聞こえてくる足音が騒がしい。絶対宮くんや。今あんま会いたくないな…。

「さんおりますかーっ!」

「あれ、さっきまでおったんやけど」

咄嗟にベランダに隠れてしもうた。
しゃがんでるから教室から見えへんよな。

「会いたかったんやけどなー…」

「戻ってきたら宮くん来てたこと伝えとくで」

「お願いします!」

またバタバタと聞こえてきた足音が今度は遠ざかって行く。こんな避けるみたいなことしたって良くないのは分かってる。けど咄嗟に隠れてた。

「あれ、どこおったん?
今ちょうど宮くん来とったけど」

『あ、そうなんや。
あとで会えたら謝っておくわ。』

「寂しそうにしとったから会ってあげて〜」

『うん、ありがとうね』

宮くんに対応してくれたクラスメイトには悪いけどベランダにおったんよ…。

昼休みが終わり、戻ってきたトレーニング組が温かい飲み物を買ってきてくれた。それをお腹に当てて昼食後の授業を受ける。

「腹痛いん?」

『うん、やからほっといてな。』

「ノートとっといたろか?」

『…っええの?』

「ええよ、女の子大変やんな。
ノートくらいとっといたるから寝とき」

『助かる。ありがとう。』

優しいとこあるやん。だるいとか思ってほんまごめんやで。これはほんまに助かるわ…ありがたい。
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