第10章 約束 ( 北信介 )
「もう着いてしもうたな。」
『今日は私が信介くんのお部屋行ってもええ?』
「いつでも来てええよ、おいで。」
私を抱きしめて頬にキスをする信介くん。
『も、う…家の前やで?
寝る準備できたらすぐ行く。』
「分かった、待っとるわ」
『んぅ…ちょっと…っ』
「早く来てな?」
そう言って唇を重ねる信介くん。
またあとで、とそれぞれの家に入る。なるべく信介とおりたい。そうじゃなきゃ宮くんの事を考えてしまいそうやから。信介くんのことでいっぱいになりたい。
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『信介くーん、入ってええ?』
準備を済ませて信介くんの部屋の前で一応ノックをする。返事がない。もしかして寝とる?
ゆっくりと扉を開くと布団に横たわる信介くんがおった。
『寝とるんー?』
「…?」
『待たせてごめんね、寝よか?』
「…っ捕まえた」
くいっと腕を引かれて信介くんを押し倒すようにして倒れ込む。ぎゅうっと私を抱きしめる優しい腕が心地いい。
『信介くん?』
「なあ、好きやで。」
『うん、私も。』
「の中にはほんまに俺だけしかおらん?」
『…何を言うてるの?』
「たまに考え事しとるから。
俺の中にはしかおらんで。は?」
私のことを1番見ているのも、考えているのも信介くん。この人に勝てる人はきっとどこにもおらん。そんな人を不安にさせたらあかん。
『信介くんと付き合えて浮ついとるんかもしれんわ。私だって信介くんだけやで。ほんまに好き…大好きや。』
「そっか、変なこと言うてすまんな。
好きすぎて変に考えすぎとるみたいやわ。」
『ううん、不安にさせてごめんね』
「俺がのこと好きすぎるだけや。」
私を抱きしめながら何度もキスをする信介くん。唇を割って入ってきた舌が上顎をなぞって思考を奪っていく。
『ん…っん、信介くん…っ』
「口ん中熱いで…、これ好き?」
『好き…信介くん…ッ』
「…体調悪いんにがっついてすまんな。」
『今は平気やから…もっとして?』
「煽らんといてや。」
Tシャツの隙間から滑り込んできた手が素肌を撫でる。どこもかしこも熱い…もっと触って欲しい。信介くんでいっぱいにして…。