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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



『くしゃくしゃにしすぎやねん。
いったんほどくで?』

「うん、さんに任せる」

ニコニコと私の目をずっと見ている宮くん。

『見すぎや、やりにくい』

「真剣な顔もかわええなー思うて」

『はいはい、できたよ』

「うわー!形めっちゃ綺麗や!
一生ほどかんとこ。ありがとさん!」

満足気な宮くんの隣に虫を見るような目の治くん。

「お前ほんまきしょいな。
さん引いてんで。」

「そんなん今の俺には効かんでサム!
なんでかってな!さんに結んでもらったネクタイがあるからや!」

「俺が先に結んでもろたけどなー」

「俺の方が形きれいやしー!
愛こもってんねん!ええやろ〜」

「なんか可哀想なってきたわ。
北さんの彼女やっていうてるやん」

「いちいち言われんでも分かっとるわ!先越されたけどこっからや。さんに振り向いてもらうねん!」

『宮くんモテるんやから選び放題やろ?』

「さんに好きって言ってもらえな意味ないんで!」

『もう宮くん。』

「だってほんまやし。」

…でもまあ、ほんまそうやんな。
どんだけ好きって言われても好きな人には適わへんもんな。信介くんからの好きは思い出すだけで幸せな気持ちになれる。

「また北さんのこと考えてます?まあええけど!絶対振り向かせるんで覚悟しとってくださいねさん!」

『はーいはい、じゃあ私昇降口あっちやから。』

2人と別れて教室へ向かうとクラスの前に信介くんがおって、私を見つけるなり手を引いて空き教室へと入っていく。

『信介くんおはよ、う…?』

「なあ、また侑とおったん?」

『来る途中たまたま会って…んッ』

突然塞がれた唇。
急な展開に驚いてよろけてしまった。

トン、と壁に背が着く。

「俺しか見てへんて言うて?」

『信介くんどないし…んんッ』

「言うて」

再び塞がれた唇と真っ直ぐに私を見る綺麗な瞳。

『信介くんしか見てへんよ…ァあ、んっ』

「俺もしか見てへん」

太ももを撫でる手がだんだんと上がって優しくおしりに触れ始める。

『ま、ってここ学校やで信介く、ん…っ
朝のHR始まる…、ちょっと…んッ』
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