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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



頭の中が…整理が追いつかへん。

信介くんが私を好き?
全然気付かへんかった。

宮くんとおったんもバレたし…。

心臓がドクドクなっとる。

だって両思いなんて嘘みたいやん。

これから増えてく写真も隣におりたいって…なんやそれ反則やろ!心臓ぎゅんぎゅんなって痛いわ…!

「返事…今じゃなくてええから。急に言ってすまんな、困らせたいわけちゃうんよ。」

『困ってなんかないよ。めっちゃ嬉しい。』

「…抱きしめてもええ?」

『え、う…うん』

近づいてきた信介くんにふわりと包まれる。宮くんとは全然違う。だけどやっぱり信介くんも男の人や。それにハードな部活で鍛えられてるだけあって逞しい。

「これからもずっと俺とおってよ」

『な、なにを言うてるの…っ』

「好きやで。」

こんな優しい声で好きなんてずるいやろ!

『わ…わたしも好きやで…』

好きって伝えるんこんなに緊張するん?
多分私の声震えてたで今…。

「え、ほんま?」

『…ほんまやで。
私やって小さい頃から好きやってん。
ハンカチくれた日から…ずっと。』

「なんや…ずっと両思いだったんやな。
もっと早く伝えるべきやったわ。」

そっと信介くんの背に腕を回してみる。
ほんま夢みたい。

「なあ…キスしてええ?」

『え、き…きすっ!?』

「声おっきいわ。おばさんに聞こえんで」

『だ、だって信介くんが…っん!』

「ふはっ、隙ありやな?」

私の言葉を遮るように一瞬重ねられた柔らかいもの。それが信介くんの唇だと気づくのに時間はかからなかった。

『な…な、なに…今の…っ』

「なんやそんな慌てて。
両思いやんか、キスくらいさせてや。」

『くらいて…!初めてやのに…っ』

「俺も初めてや。一緒やな?」

そう言ってもう一度近づいてきた信介くんの唇が優しく重なる。今度はさっきみたいにすぐは離れていかない。後頭部には逃がすまいと手が添えられている。

『ん…っも、苦しい…、』

「すまん、がっつきすぎたな」

唇は解放しても私の腰に回った腕はそのままで緩まる気配はないみたい。
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