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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



『もう家着くから手…離そか。』

何度も離そうかと言われた手を結局さんの家が近づいても握ったままいた。

「家の前まで…あかんですか。」

『あかんやろ』

「じゃあ帰る前に聞いてください」

『なに?』

「俺さんのことめっちゃ好き。今日一緒におってもっと好きになってもうた。北さんのことしか見えとらんかったとしても俺はさんが好きです。」

『ありがとう』

「いつかありがとう以外の言葉が貰えるように、絶対惚れさせてみせます。ほんまに好きですさん。」

『そ、んなにまっすぐ見んといてや…っ』

繋いだままの手と向き合った体。
ぱっと顔をそらされてしまった。

さんの耳が少し紅くなってる。

「耳紅いですよ。照れとるん?」

『ちが…っちがう。
からかわんといてや…っひゃ!』

衝動的に繋いだままの手を引っ張って自分の腕の中に彼女を収める。ドクドクと音を立てる心臓はきっとさんに聞こえてるんやろな。

「さんええ匂いする。
早く俺のもんになったらええのに。」

『ちょっと宮くん離してや…っ』

「もう少しだけ…」

『そればっかりや』

ほんまに少ししたら離してね、と抵抗をやめたさんを抱き締める。

「今日めっちゃ楽しかったです。
またどっか一緒にいきたいな。」

『私も楽しかったよ』

「ほんまに?
俺ばっか楽しんでなかったですか?」

『そんなことないよ、ほんまに楽しかった』

俺を見上げて微笑むさんに今日何度目か分からんけどドキッとしてしまう。この笑顔が俺だけのものやったらええのにって思ってしまってる。

「あー好き。」

『声に出てんで』

「出てても隠しててもバレとるからええです」

『そっか笑
じゃあ私そろそろ家入るね。
送ってくれてありがとう、また学校でね。』

「あ、はい!
今日はありがとうございました!」

『お詫びとお礼やからね。』

そう言ってひらひらと手を振ったさんは家の中へと消えていった。夢みたいな時間やった。ただ見てるだけやった人とデートしたんや…帰ったらサムに話そ。
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