第2章 狂おしいほど愛してる(梵天)
「おい竜胆テメェまじふざけんなよ」
『あ?だからちゃんはテメェのじゃねえだろっつってんだよ!いちいちうるせんだよ潰すぞコラ』
「テメェのもんでもねえのに跡つけんなっつってんだよ頭わりーな!」
ちょちょ…こわいって…。
『2人とも朝からやめよーよ…っ!
それに…竜くんの好きにしていいって言ったの私だから…!』
「あ…?ちょっとこっち来いよ」
そう言って私の手首を掴んだはじめくんの後をズルズルと引きずられるようについて行った。
『い…たいよはじめくん!』
痛いと言ってもふりかえらないはじめくん。
どうして…何をそんなに怒ってるの?
「おい離せよココ!
ちゃんが痛がってるだろ!
優しくできねえなら触んじゃねえ!」
いつもと様子の違うはじめくんを追いかけてきてくれた竜くんが私から引き剥がして自分の腕に私を収めた。掴まれていた手首を優しく触って頭を撫でてくれる。
「…っ!ごめん…っ」
さっきまでとは打って変わって私の腕を強く引いてしまったことを後悔しているらしい。
『だ…いじょうぶだよ。
はじめくんこそ大丈夫?どうしたの?』
竜くんの腕からすり抜けてはじめくんの頬を撫でる。
「ごめ…頭冷やしてくる…。」
そう一言呟いて自室へと入ってしまった。
「ちゃん…手首へーき?」
『うん、大丈夫だよ竜くんが来てくれたからっ
ありがとう竜くんっ!』
竜くんが追いかけてきてくれなかったらはじめくんに酷く激しく抱かれていたのではないかと思った。愛はなくても…思いやりのない行為は嫌だ…。私を大切にしてくれる人にしか体は許さない…そう決めてるから。
「そ…?じゃあ一緒に朝飯つくろ」
『今日は竜くんも手伝ってくれるの?』
「うん、久しぶりに俺にも手伝わせてよ
いつも任せっきりだしたまにはね」
竜くんみたいな人が旦那さんならきっと幸せなんだろうなーと。ぼんやりとだけどそう思った。優しくて思いやりがあってあたたかいから。
暫くしてからだんだんとご飯ができあがってきた。竜くんと二人手分けして皆を起こしに行く。寝起きの悪い蘭くんは弟である竜くんが起こしに行ってくれた。私は寝起きのいいその他のメンバーを起こしに向かった。