• テキストサイズ

今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第10章 約束 ( 北信介 )



授業を一限分まるまる休んで体調は戻った。ずっとそばにおってくれた宮くんにも感謝せんとな。

「ねえ宮くんに告白されたってほんまなん?」

『どこ情報やねん』

部活終わり、部室で始まった恋バナに巻き込まれた。

「なーほんまなん?」

『ほんまやけどそれがどないしたん』

「羨ましすぎるやろ!」

やっぱり人気なんやなあ。

「え、じゃあさん侑くんと付き合うとるんですか?」

『付き合うとらんよ。』

興味津々な後輩に告げるとなんとも複雑な表情をされた。

「侑くんの告白断ったんですか!?
ほんまモテるんですよ侑くん!」

『…らしいな?』

「私の友達が侑くんのこと好きで、この前告白しとりましたけど心に決めた人がおんねんって断られた言うてました。」

『心に決めた人…?』

「さんのことだったんですねー!」

なんやそれ!心に決めた人?
そんなん言いふらさんとってよ宮くん!

きゃっきゃと盛り上がる部室。

『そういう皆は好きな人おるん?』

「私は治くんが好き…です。」

「わ、私も治くん!ライバルやぁ〜」

『侑くんちゃう方か。』

「私同クラのサッカー部かなあ」

「私は3年生の野球部の先輩ですかね」

好きな人発表の場になってしまったけど、絶対誰にも言いたくない。おらんて事に…しよか。

「私は北さんかな…?」

「あ〜北くん地味に人気やね」

後輩の口から出た思わぬ名前に心臓がぎゅうっとなるのを感じる。やっぱ人気やん信介くん…。

「そういうは誰なの?」

『私…は、おらんかな。』

「んん、たしかにそんな感じするわ。」

よかった信じてくれた。

「さんって北さんと仲良かったですよね?連絡先とか…教えて貰えませんか…っ」

信介くんが女の子と連絡とっとるなんて想像つかへんけど…嫌やな。

『…そ、れは自分で聞いた方がえんちゃう?』

「そ、そうですよね!」

『ほな、私帰るわ!』

なんとなく居ずらくなって逃げるように部室をあとにした。
/ 866ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp