第10章 約束 ( 北信介 )
尾白くんと歩いて行ってしもうた信介くんを目で追っていると、ちゃっかり隣に腰を下ろしている宮くんと、私の友達が会話を始めていた。
「キミ、男バレの宮くんやんな?
近くで見るとほんまええ男やなぁ〜
モテるやろ?」
「宮侑いいます!
俺ええ男ですよね!?さん全然振り向いてくれへんのですけどなんかええ方法ないですか?」
「のこと好きなん?普通に本人に聞こえてるけどええの?」
「めっちゃ好きです!
昨日告白しました!振られました!」
「おー、そら可哀想に。
落とすんはムズいで〜」
『ちょっと…さっきからなんなん…?
恥ずいからやめてや。』
教室やでここ。昼休み中の。
「恥ずかしがっとるさん可愛ええ!」
『宮くんうるさいで。』
「のこと知りたかったら私に聞きや?」
『ちょ…っと勝手に…!』
「ええやんええやん、告白断ってこんなグイグイくるんあんまないで?しかも人気者の宮くんやん。あんたもそろそろ彼氏つくりや、な?」
『私はええの。もう宮くんも教室戻りや。』
全部全部…信介くんやないと意味あらへん。
「また会いに来ますね!」
また来ると言って私たちの教室からでていく宮くん。確かに今まで私に告白してきた人でこんなにグイグイな人はおらんかった。
「なあ宮くんええやん?ダメなん?」
『ダメとかちゃうくて…好きになった人と付き合いたいやん。宮くんはええ子やけどそういう好きちゃうねんて。』
「宮くん振るなんて贅沢なやっちゃな。」
そんなに人気のある子だったんや、と改めて私は信介くんのことしか見てへんのやなーと思った。
確かにカッコええし背もあるし
人懐っこい子やもんなぁ。
でも私の好きな人は信介くんや。
昨日は私が怒らせてしもうたんか早く帰ってしまった。いつもはもっと話したりとか…するのになぁ。