第9章 歪想 (羽宮一虎 / 場地圭介)
「ちゃんがいると明るくていいね」
『私も涼子さんとお話するの楽しい!』
「んじゃ私は明日も仕事だし、
風呂はいって寝るかなー」
お袋がソファから立ち上がっての頭をふわりと撫でてから風呂へ向かった。
「俺達も寝るか?」
『そーだね、寝よっか』
2人で俺の部屋に戻ると風呂場からお袋の声が聞こえくる。
「冷凍庫にアイスあるから食べていーよ!」
『やったー!ありがとー!』
取ってくると言ってが部屋を出ていった隙に俺は押し入れからマットレスを下ろして床に敷く。いつもは押し入れで寝てるけどが来る時はそれを床に下ろして寝るようにしている。
『ねえどっちがいい?』
戻ってきたの手にはチョコとイチゴのアイスが1つずつ。
「好きな方食っていいよ」
『どっちも好きだから選べないー。
圭介くん先に選んで?』
「んじゃ半分コしよーぜ」
『うん!じゃあ私先にチョコ食べるね』
隣に腰をおろした彼女と2人並んでアイスを食べる。差し出されたイチゴのアイスを食べ始める俺とチョコアイスを美味しそうに頬張る。
「うまい?」
『うん!幸せ〜』
「そろそろ交換するか?」
『そうだね!はい、圭介くん』
イチゴアイスと交換にチョコアイスを受け取る。
「溶けてきたから気をつけて食えよ」
『うん…、あっ!』
「言ったそばから…ったく、」
華奢な指を溶けたアイスが伝っている。うまそうだなって思った。いや、思ったときにはもう唇を小さな手に添わせてた。
『…っん、圭介く、んっ?』
「服に垂れちまうからじっとしとけ」
『う、ん…あッ』
ピクリと反応する小さな身体。
「震えてどーした?」
『や、なんかそれ…だめ、っ』
「なんで?こんなん昔からしてたろ。」
『こんな舐め方じゃなか…った、』
そんな反応されると止まらなくなる。こんなは知らない。どこでそんな表情覚えた?俺の知らないところで知らないお前になっていくのが怖い。どこにも行かないでくれ。
「早くアイス食えよ、全部溶けちまうぞ」
『ん、食べるから意地悪しないでっ』
「はいはい、ほら早く食えって」