第9章 歪想 (羽宮一虎 / 場地圭介)
最近は放課後の補習ってやつが厄介だ。
これのせいでと一虎を2人にする事が多くなってる。だから何だって話かもしんねぇけどなんか引っかかるんだよ。はたまによそよそしく目が泳ぐし、一虎も極端に女絡みが減ったのはやっぱ気になる。
今日は待つから一緒に帰ろうと言ってくれたと嫌々待ってる一虎。補習を終えて2人のクラスへ行くが、誰もいなかった。探すのも面倒なんで電話をかける。
「おー待たせたなァ
てかお前らどこいんの?教室誰もいねぇけど」
《あー…、ちょっとプラプラしてた。
戻るわ、下駄箱で待ち合わせよーぜ》
「プラプラ、ね。
んー、分かった」
プラプラってなんだよ…。
そんな見て回るようなとこ校内にねぇだろ。変に誤魔化しやがって…。
合流したあと、一虎はいたって普通だった。はソワソワしているような、落ち着かないような感じだ。まあなんかあったんだろーなって、良くも悪くも分かりやすいやつ。
「待ち時間何してたんだ?」
だから敢えてお前の目を見て聞いてみた。
『えっと…図書、室にいたよ』
プラプラしてたんじゃなくて図書室?
「図書室?なんで?
お前本好きだっけ?」
『ううん、えと…ぽかぽかで気持ちいいから。』
「ふーん」
嘘はついてないぽいが、それが全てではなさそうだ。もしくはにとってはそれだけのつもりだったか。なんかあったとしたら原因はほぼほぼ一虎だろうから。
「一虎ァ」
「ん?」
「なんでお前のシャツそんなシワシワなんだ?
しかも背中だけすげえくっしゃくしゃ。」
すっげー気になるんだよな。そのシワ。
「っあー、寝っ転がってたからじゃね」
「なにお前、ガチ寝?」
「わりと」
一虎の表情からは何も分からない。至って普通な雰囲気はするけどが視線を落としたのが気になる。2人揃って俺に隠し事かよ。