第9章 歪想 (羽宮一虎 / 場地圭介)
1限目から早速眠気に襲われる。
抗わずに机に突っ伏すと
隣からつんつんとつつかれる。
「…なんだよ寝みぃんだよ」
『ダメだよカズくん起きて?』
「マジで眠い…マジで…」
『もうカズくんっ』
諦めたのか、俺をつつく手を引っ込めた。かと思えばすぐにもう一度手が伸びてきた。
『これあげる』
「…なにこれ飴?」
『これまだ好き?』
ガキの頃よく食ってた飴。
懐かしい…まだ売ってんだ。
「くそ懐いな…さんきゅ。」
素直に受け取って口に放る。
メロンソーダ味で中にシュワシュワするパウダーみたいなのが入ってるやつ。最後にシュワシュワするのが好きでよく食ってた。
『眠気覚めた?』
「あー…、たしかに。少し。」
飴に気を取られて眠気が少し覚めた。
2限目、3限目、と俺が寝そうになるたびに隣から手が伸びてきて飴を与えられる。それを食って何とか持ちこたえてやっと昼飯の時間。いつもこの時間にくるからなぁ。もう帰りてぇな。
『圭介くんのとこ行こー?』
「おー、今行く」
弁当を持って場地のクラスに行く途中の廊下で名前を呼ばれる。
「羽宮くん」
「あー?」
なんだっけコイツ…あー名前出てこねぇ。
「今日の放課後遊ばない?
最近全然連絡くれないんだもん」
「嫌だけど?」
「っえ?なんで??」
「なんでって…つまんない、から?」
それに俺はしか抱かねえって約束しちまったからな。また泣かせるのは御免だ。
「羽宮くんひどい!!最近付き合い悪いって聞いてたけど本当だったんだね。新しい女の子でもできた?」
気まずそうに俯くを背中に隠して女を睨む。
「新しいもなにもお前らとは1回きりな?その先もそれ以上の事も俺に望まないでくんねえ?ダルいから。」
「…っひどい!!」
泣きながらどっかへ走っていった女のことはどうでもいい。
「?」
俯いたままのの名前を呼ぶ
『あ…えと隠してくれてありがと。
やっぱりカズくんはモテモテだなあ…っ』
「そーか?ヤりたいだけだろ
んま俺はお前とシたいけどな?」
『ちょ…っとここ廊下!ばかっ!』
すぐ顔を紅くする反応が初心で安心する。