第9章 歪想 (羽宮一虎 / 場地圭介)
イチゴ大福。
の好物。
これがあればホイホイ釣られてくれる。
昔からイチゴ大福に目がない。
『カズくんの家早く行こ!』
「いまクレープ食ってんだろ」
『それと大福は別でしょ!』
「いや別じゃねぇだろ。
俺なんかしょっぱいもん食いてぇ」
早く帰ろうと急かすを無理やり引きずってコンビニに入る。しょっぱいもん食いてんだもん。
『ねぇカズくんプリッツたべたーい』
「あとポテチな」
『おーいいね。あとアイス!』
「あり」
結局2人でカゴいっぱいのお菓子を買った。
「俺の部屋先行ってていいよ
アイス閉まってから行くわ」
『はあい』
イチゴ大福と今食べたいお菓子を適当にいくつか選んで俺も部屋へ向かった。少し開いていたドアを足でグッと押して中へはいる。まるで自分の部屋かのようにくつろぐ。ベッドの上に寝転がって漫画を読んでいる。
「おいおいパンツ見えんぞ」
『んー?』
漫画に夢中なようで空返事をされる。
「なぁパンツ見せてよ」
『んー』
これは話聞いてないが悪いでしょ。
『っひゃあ!なにっ??』
「見えそうだってわざわざ教えてやったのによ、見せてくれって言ったら んーって返事したのだよ?話聞いてない悪い子にはお仕置してやんねえとな?」
うつ伏せて寝転がっていた彼女のスカートの中に手をいれると、バッと振り返って目を丸くしていた。読んでいた漫画を閉じてクルンと身体を反転させる。ぎゅっとスカートの裾を掴んで離さない。
『お話聞いてなかったのはごめんなさい。
でもこんなことしたらいけないよカズくんっ』
本気で怒ってないときにぷくっと頬を膨らませるのは昔からのクセ。それならばと少し調子に乗ってしまう。
「プリッツ食おーぜ」
『ちょっと私の話きいて…ンッ』
プンスカと文句を言う小さな口にプリッツを押し込んだ。もう、と言いながらポリポリと食べる姿はまるでリス。小動物みてぇなんだよなこいつ。