第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
「タカちゃん大丈…っ」
『三ツ谷くんだい「まって!」』
「待って。目瞑って。」
『え…? 「いいから。頼むよ。」』
柴くんの肩から顔をだしてみたけど、すぐに手で視界を遮られてしまった。言われた通りに目を瞑ると聞こえてくる女の人の声。
「三ツ谷ぁココ触って?♡」
「俺に近づくな」
2人の声が聞こえる。
だけど状況が分からない。
たまらなく不安になってしまう。
「大丈夫だよ。
タカちゃんはあんな女相手にしねぇ」
『柴くん…』
私の不安をかき消すような言葉をかけてくれる柴くん。
「三ツ谷たちのこと襲った奴らどーだったぁ?」
「あ?どうもこうもねえよ。
クソ弱かったなあ?」
「あの子も八戒くんが助けちゃったみたいだし…アイツらほんと使えなぁい。まあ…今私の目の前に三ツ谷がいるだけいいってことにしようかな。」
「に手ぇ出したんだ覚悟しろ
お前が女だとかはもう関係ねぇからな!」
三ツ谷くんの怒鳴り声が響く。
私に手を出されたことに怒ってるんだ。
自分だってきっとボロボロなのに…。
「そんなこと言ってもやり返す力ないでしょう?大人しく私と気持ちいコトしよう?ね、三ツ谷♡」
「そういうことがしてぇなら
他当たれって言ったはずだ、しつけぇよ」
「ねぇあの子の事ばっかり…妬いちゃう。
もしかしてもう付き合ってるの?」
この人は知らないんだ。
そりゃそうか…付き合ったの昨日だもん。
「もしそうだって言ったらなんだよ」
「…許せない、かな?
もーっと痛い目みせちゃうかも♡」
「…っ」
「ねぇどうなの?付き合ってんの?」
女の人の冷たい声。三ツ谷くんはなんて答えるの。
「俺はと…「はっ」」
「…っ八戒?」「なぁに八戒くん」
「は俺の彼女だよ」
『…柴くん?』
驚いて瞑っていた目を開くと
ソファに横たわる苦しそうな表情をした三ツ谷くんの上に、あの人が跨っていた。