第2章 狂おしいほど愛してる(梵天)
半ば強引に30万円程の札束を握らせてそれを押し返す運転手の手をその上からさらに押し返す私を見て呆れれ顔で見下ろすタケちゃん。
『毎日こんなに連れ回して、暑い日も寒い日もずっと私たちの声がかかるまで待機してくれてさ、すごいお世話になってるからって私からボーナス渡してるんだけど受け取ってくれないのよ。』
「はあ…お前もうそれ受け取ってやれ」
「ですが…。」
「お願いだよ。
うちの姫さん引かねえからさ、な?」
「はい…ではありがたく…っ
さんありがとうございます」
『ううん、無理矢理でごめんね?
他のみんなにはシーっね?』
「あ…っはい…//」
「はあ…ウチの野郎落としてどーすんだよ…」
「では、車だしますね…っ」
『んー?なあにタケちゃん!
あ、出発しんこーー!』
「んでもねーよお姫様」
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「今日のターゲットはあいつだ」
『了解タケちゃん。』
「では私は近くで待機しておりますので…
またお声がけ下さい」
『うんありがとう!いってくるね!
あったかくして待っててね!』
「…っはい//」
「はあ…ダメだこりゃ…」
『さっきからなにタケちゃーん』
「んでもねーよ行くぞー」
『はーあい』
「予定どおりお前はアイツをホテルに連れてけ。過程は問わない。くれぐれもヤられんじゃねえぞ。部屋が決まったら適当に合図しろ、直ぐに行く。」
『うん、まかせてっ』
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清楚な服に身を包み偶然を装ってよろけながらターゲットの胸に倒れ込む。
『あ…すみませんっ
私ったら…フラついてしまって…っ』
「ねーちゃん大丈夫か?」
『あ…はい…』
まだフラつきながら潤んだ目をして
バッと顔を上げる
「…っゴクン
…あー、ちょっと休んだ方がいいぜ?」
かかった。
『…いや、でも…っ』
「ここのホテルで少し休もうぜ?
俺もついててやるからよぉ?」
『はい…わかりました…』
とりあえず作戦が予定通り進んでいることをタケちゃんに合図する。
私の腰にいやらしく腕をまわしているターゲットに反吐が出る。こいつが何でウチに狙われているかなんて知らないけどこの後こいつは写真を取られて脅されて拷問した挙句にスクラップって流れね…。