第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
「おいおい随分遅かったんじゃねーの?」
「ビビって来ねぇかと思ったよ、なあ??」
「ボッコボコにしてやんよ!!」
俺らの登場に飛び交うヤジ。
その手には早くも鉄パイプが握られている。
この人数でうちの隊の奴1人を…っ。ふつふつと沸き上がる苛立ちを抑えながら1歩前にでる。
「お前が頭かぁ??」
「あぁ、弍番隊隊長 三ツ谷だ」
「良かった合ってるぜコイツだぁ」
「あ?」
「いやぁコッチの話だ気にすんな」
合ってる?こいつら俺狙いなのか?
俺こいつら知らねえけど。
「タカちゃんどうかした?」
「いや、こいつら俺狙いぽいんだわ」
「え?こいつらとなんかあったっけ」
「いや分からねぇ…」
ヒュンッ
頬の横を拳が過ぎる
「っぶねぇ」
「おいおい余所見とは舐められたもんだなァ」
いや俺はほとんど避けてねえ。
意図的に外されたような攻撃だった。
まあ食らっても大した威力ではなさそうだが。
「俺お前に会ったことあるか?」
「いーや、ねえな?」
「あ?ならなんで俺狙いなんだよ」
「こっちにもいろいろあんだよ」
「はっ、どうでもいいけどよ
早いとこ片付けて戻らなきゃなんだわ」
人数では俺らが劣ってるが戦力では負けてねぇ
負けてねぇどころか押してる
さっきから絡んでくるこの男も何故か顔から下ばかり狙ってきやがる。特段強いわけでもなく、なんで俺ら東卍につっかかってきたのかまるで分からねえ。こいつらじゃ勝てねぇだろ。
俺の攻撃をひとつも避けきれずに
ボロボロになってくこいつは何がしてえの?
「お前さっきから顔下ばっかりなんなんだよ」
「顔は傷つけ、んな…って言われてんだよ…っ」
言われてる?誰かの命令で動いてんのかコイツら。顔面モロくらい食らわしてくんねぇと勝負になんねえぞ。