第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
公園から私の家まで今度は指を絡ませるように繋がれた手。これが…恋人繋ぎ…。わあ、私ほんとに三ツ谷くんと付き合ったんだ。どうしよう心臓がドクドクいってる。
「」
『は、はい』
「顔真っ赤だぞ」
『なっ、いちいち言わなくていいです…
手だってこんな繋ぎ方したのしたの初めてで。』
「うん、俺も初めて。
これから色んな初めて一緒にしような」
そう言って笑った三ツ谷くんの顔が暗闇の中でもちゃんと見えた。あぁかっこいいなって。この人が私のか、彼氏…なんて信じられない。
もっと一緒いたいな。
このままバイバイするの寂しい、な。
あ、そういえば…
『あ、のっ三ツ谷くん!』
「どうした?」
『明日…、明日から親が旅行に行くんです。3日間くらい家をあけるので…その、もし良かったら…来ませんか?』
「え?」
『あ、あの急なので…先約があったら別に!』
「いや、ねぇけどさ…」
なんかすごい渋ってる…?
私ばっか舞い上がってたのかな…恥ずかしい。
『ごめ、んなさい。
私…舞い上がりすぎましたね。』
「えっ、嫌とかじゃねえよ!?
そうじゃなくて…あれだよ、あー…っ」
『…?』
「お前ん家泊まっていいってことであってる?」
『三ツ谷くんさえよければ…ですけど。』
「お前…男泊める意味分かってねぇだろ。」
意味…?意味ってなんだ…?
誰でも泊めると思われてるのかな?
『意味…えと、三ツ谷くんが好きだからです?』
「あぁもう…知らねえからな…?」
あれ、待って待って怒ってる…??
『三ツ谷くん?怒ってますか…?』
「怒ってます。明日覚悟しとけよな」
『えっ、ごめんなさい!』
どうしよう…三ツ谷くんを怒らせちゃった。
「ほら、家ついたぞ。」
『あ…ほんとだ。
送ってくれてありがとうございました』
家の鍵を出そうとして繋いでいた手を放すとその手を追いかけてきた三ツ谷くんの手にもう一度捕まってグッと引き寄せられる。ふわっと香る優しい匂い。
「あー…離れんの寂しいな。」
『私も…同じこと思ってました。
だから明日も会いたくて…。』
「ん、超嬉しい。」
体を離した三ツ谷くんから本日2度目の額に触れるだけのキスが降ってくる。早く明日になればいいのに。