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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)


結果、俺たち青ブロックは優勝した。

中学生活最後の体育祭。
と同じブロックになれたこと。
一緒に優勝できたこと。嬉しかった。

けど俺個人の勝負はこっからだ。

「それではまた週明け学校で〜」

担任の話が終わると同時に号令がかかる。
教室をでようと荷物を掴んだところでかかる声。

「三ツ谷ぁ」

「なに?俺急いでるから…」

また…さっきからなんの用だ?

「そんなに急いでどこいくのぉ?
もしかしてぇ…あの2年の子のとこ?」

「だったらなに…?」

「さっきはあの子いたしぃ…
途中で八戒くんに邪魔されたからぁ」

「あの時は借り物競争で付いてきてもらったから。それに八戒が割って入ってきたのはアンタがを睨んだからだろ。…じゃあ俺行くわ。」

を傷つけるやつは許さねえぞ。
例え女だろーが許さねえ。

「あんな奴…痛い目みせてやる。」

「なんだ?」

ボソボソと放った言葉は俺の耳に届かず、聞き返してみたけど彼女は走って教室を飛び出して行ってしまった。まあいいかとのクラスへ向かうとまだHR中だったので、廊下で待つことにした。

しばらくしてガラっと開いた扉から彼女を探す。

『あ、三ツ谷くんっ
ちょっと待ってくださいね、すぐ行きます!』

バタバタと忙しく荷物をまとめて教室を飛び出してくる姿が可愛らしくて、今ここで抱きしめたいのをグッと堪える。

「俺履き替えてくっから昇降口で待ってて」

『分かりました!』

先に靴とってくりゃ良かったな。

「ごめん待たせた」

『全然です!』

「帰ろうか」

『はいっ』

「あれ、タカちゃんと一緒に帰んの?」

「よう八戒、まあな。」

「そ…っか、じゃあ、またね」

『あ、柴くんっ!また月曜日学校でね!』

「うん、またね」

八戒にぶんぶんと手を振って笑いかける彼女。その瞳に少しでも俺をうつして欲しくて手を取った。

『…っ三ツ谷くん?』

「帰ろ?」

「は、はい…っ」
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