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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)


「今日一緒に帰れる?」

『きょ、うですか?』

勘違いしてないか、と真剣な顔で聞く三ツ谷くんに私の頭の中はぐるぐると考えをめぐらせていた。

「あー、もしかして今日も部活か?」

『いえ、今日は部活ないです』

「そ、じゃあ俺と一緒に帰れるか?」

『はい、大丈夫です』

一緒に帰って何を話すんだろう。
勘違いすんなよって釘刺されるとか…?

「終わったら教室まで迎えいくから待ってて」

『分かりました』

「なんて顔してんだよ、俺と帰んのやだ?」

『えっ?』

うそ、やだ私ってばどんな顔してたの。
帰り道に話される内容が気になって仕方ない。
三ツ谷くんと帰るのは嬉しい…嬉しいに決まってる。

「俺と帰んの嫌だったか?」

『そんなことあるわけないです!』

「ふはっ、それなら良かったよ」

『…はいっ』

三ツ谷くんの笑顔に、悪い話では無いのかもしれないと少し期待してしまう。

「んじゃ席戻るか」

『ですね』

2人並んで席に戻ると、三ツ谷くんのクラス席からでてきた女の人が私を睨んでから三ツ谷くんに話しかける。怖い…けど綺麗な人だ。三ツ谷くんと並んぶと絵になる。

「ねえ三ツ谷ちょっといいかなあ?」

「ん?」

「あ…っちで話したいんだけど。」

そう言って彼女が指さしたのは校舎裏。

「ここじゃダメか?」

「ここはちょっとぉ…」

「おかえり。タカちゃんも」

『あ、柴くんただいま。』

女の人の言葉を遮るようにして自席からこちらへやってきた柴くん。なんだか空気が重い。

「八戒くん〜っ!また背伸びたあ??」

「…」

女の人の問いかけに答えることはなく
目も合わせない柴くん。明らかな嫌悪。

「八戒くん??」

「…んな。」

「え?」

「俺に話しかけんな。」

『ちょっと柴くん?』

こんなに敵意をむき出しにした柴くんを見るのは初めて。

「おい八戒そんな言い方…」

「タカちゃんちょっと来て」

「あっ、ちょっと三ツ谷ぁ!」

柴くんに引っ張られて遠ざかっていく三ツ谷くん。

「あんたなんかに三ツ谷はあげないから」

『…っ』

三ツ谷くんがいなくなった途端、先程私を睨んだ時と同じ冷たい空気が流れる。
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