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今宵は誰の腕の中で眠りますか⋯?

第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)


「…あの…えっ、と。」

『えと…腕…を、』

「あ、ごっごめん!」

彼女を連れ出すのに掴んだままいた腕をパッと離す。今更ながら公開告白をしてしまった事が恥ずかしすぎて穴があったら入りたい。

2年女子の借り物競争が始まったらしく再び盛り上がり始めた生徒席。俺たちに集まっていた注目はグラウンド内にそれた。

退場したあと、
グラウンドの端で2人並んで座る。

『えと、仲良い女子が私だったからだよね?一瞬勘違いしそうになったんだけど柴くんて女の子苦手だもんね…っ』

「…えっと。」

『クラスの人の誤解は私が解いておくからっ』

今を逃したら一生言えないかもしれない。
そんなのいやだ。

「…っ」

『ん?』

「確かに仲良い女子はしかいないけど…そんな理由で連れ出したんじゃない。紙には好きな人って書いてあった。男か女かなんて指定はなかった。恋愛感情か友情かとかも。だからタカちゃんだって良かったんだ。」

『うん、えっと…』

「だけど 好きな人 って頭にすぐ思い浮かんだのは…だった。俺は…俺は、が好きです。」

『…え?』

「が好きなんだ。」

『ありがとう。
でも...ごめ、んなさい。』

「…うん、分かってる。
が好きなのはタカちゃんだろ?」

『え…どうして、』

「が好きだから。
見てたから分かるよ…タカちゃんかっけえよな。」

ああクソ…分かっててもキツいな。
タカちゃんはかっけえよ。
そんなん…そんなんずっと前から知ってるよ。

『そっか…柴くんにバレてたかぁ。
恥ずかしいな…。三ツ谷くんかっこいいよね。
きっと私なんか相手にして貰えないけど…。』

「振られたら俺んとこ来いよ」

きっと振られないだろうけど。
大好きな2人が付き合う…か。

『ふふ、優しいね柴くんは
そしたら慰めてもらおうかな』

「うん、待ってるわ」

『待ってるって…ひどいなあ笑』

「ははっ悪ぃ笑」

良かった、普通に話せる。
もう話せなくなったらどうしようって怖かった。
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