第8章 トライアングル (三ツ谷隆 柴八戒)
「おつかれ
1位おめでとう、さすがだったよ」
自席に戻ると私に気がついた柴くんが声をかけてくれた。
『ありがとう柴くんっ
貢献出来て良かったです…!』
「もう少ししたら次は部活対抗だっけ」
『うん、部活対抗リレーだよ』
唯一ブロックの得点に関係のない種目。
だけど、それぞれの部活が気合いを入れてるのは間違いない。私たち女バスチームは打倒陸上部。きっと短距離専門でチームを組んでくる。
「1位取れるといいな。応援してるよ」
『とるよ!1位!』
しばらくして部活対抗リレーに出る選手の召集がかかった。また柴くんにグータッチをして召集場所へと向かう。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
選抜リレーと同様2位で回ってきたバトン。
やっぱり1位は陸上部。
部活対抗もアンカーはトラックを2周。
「先輩頼みます!」
後輩から託されたバトンを受け取って
前を走る陸上部を追いかける。
「頑張れ!1位とれー!」
…柴くんの声だ。
普段大きい声出さないのに…嬉しいな。
「いけるぞ抜け!!」
三ツ谷くんだ…よしラスト加速するぞ。
2人の声援と女バスの声援に背中を押されるように加速をする。どんどん近づく背中。流れのままに前を走る背中を抜いて本日2度目になるゴールテープを切った。
退場したあとカメラマンさんに
女バスで写真を撮ってもらい自席に戻ると
「っ」
『三ツ谷くん?』
自分のクラスを抜け出してきたであろう三ツ谷くん
「俺の声聞こえたか?」
『はい!パワーもらいましたっ』
「選抜も対抗もアンカーで1位とったな
めちゃくちゃかっこよかった」
『三ツ谷くんは午後イチで借り物競争ですよね』
「おう、頑張るわ」
『応援してます』
「さんきゅーな」
《只今よりお昼休憩となります。
生徒の皆さんは━━━━━》
アナウンスが流れて私たちは1度校舎内へと戻った。